研究課題/領域番号 |
10450017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡野 達雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60011219)
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研究分担者 |
WILDE Markus 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10301136)
福谷 克之 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10228900)
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1999年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1998年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 電界電子放射 / 表面 / 二次元 / 電子源 / ピコ秒 / GaAs / パルス / トンネル効果 / 表面準位 / 二次元電子系 / ヘテロ界面 / 真空 |
研究概要 |
半導体超格子構造に局在する二次元電子系からの電界電子放射現象について研究を行った.従来、超格子構造を横断して、層間を垂直方向にトンネルする電界電子放射現象の研究がなされてきたが、本研究では、ヘテロ界面の面内に平行に運動する電子の電界電子放射される過程に注目して研究を行った.電界放射陰極試料として、GaAs/GaAlAsの超格子構造を作成した.GaAs層とn-GaAlAs層の厚さは、それぞれ10nmと30nmである.ガス吸着汚染による端面の電子状態変化を避けることが重要であり、超高真空劈開機構を開発した.(100)面ウェハーを<011>,<011>方位で劈開することにより超高真空雰囲気において、先端曲率半径が10nm以下の先鋭な超格子電界放射陰極を得ることに成功した.また、二次元電子系の散乱を抑制し、コヒーレント長をマクロスケールに維持するために必要な試料冷却機構により試料温度を6K以下に冷却することが可能となった.二次元電子系からの電子放射の特徴は光励起による高速時間応答であり、ピコ秒領域での電子放射時間分析が必要である.パルス幅50psの半導体レーザーによりGaAs表面層を励起することにより、パルス電子放射の測定を荷電粒子直射型ストリークカメラにより行い、50psまでの時間応答を確認した.二次元電子のトンネル過程の検証には、高分解能電子分光測定が有効であり、電界電子放射用180°半球型静電分光器を開発した.タングステン陰極を用いた動作テストでは20meVのエネルギー分解能を確認した.超格子試料の清浄化処理や耐電圧の維持等で当初は困難があったが、現在、これらの問題点を克服して、電界放射像の撮影とエネルギー分析を進めている.
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