配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1998年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
研究の目的は,電子・光励起によって起こる希ガス固体からの脱離を観察し,励起子が関わる脱離機構を明らかにするとともに,希ガス固体内部・表面に生成した電子的励起の緩和とエネルギー散逸の動的過程を解明することである. 本研究計画の中で以下の実験装置を完成した. ・Kr,Xe固体研究のためのパルスチューブ冷凍機をクライオスタットとした電子励起脱離実験装置. ・極高真空電子遷移誘起脱離実験装置. ・レーザプラズマ真空紫外光源. Ne,Ar,Kr固体を対象として以下の成果を得た. ・光励起による全脱離絶対収率の測定:全脱離収率の励起波長依存性と膜厚依存性の詳細を調べた.充分厚い希ガス層では,バルク励起子の生成エネルギーに対応する光を照射すると,1光子あたりの脱離原子数は,Neではほぼ1,Arでは0.2,Krでは0.01〜0.1であることを明らかにした. ・電子励起による全脱離絶対収率の測定:電子を励起源とした実験を学習院大学で行い,その収率の絶対値,膜厚依存性などについて,光励起との相違を明らかにした. ・励起二量体の脱離では,脱離後の発光緩和の測定から,高い振動準位で脱離することを明らかにした. ・脱離機構と励起子の緩和過程に関する考察:これまでに行った種々の脱離粒子の絶対収率のデータを総合して,固体内部および表面における励起子の緩和経路のモデルを作成し,その一部については分岐比を定量的に定めることに成功した.
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