配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
本研究では昨年度までにGaInAsP/InP半導体微小ディスクレーザを製作・評価し,既に直径2ミクロンの世界最小レーザ,40マイクロアンペアの世界最低しきい値電流を実現している.本年度は本素子の利用法を拡大する技術として,光励起動作,完全単一モード構造,電極集積化の3点について研究を行った.光励起動作については室温パルス発振が他機関より報告されているが,連続動作については特殊な放熱構造を設ける必要があり,またしきい値が高いという問題があった.本研究で最適設計を行い,さらにこれまで培ってきた高精度プロセスを利用して,高精度で放熱構造なしの素子を製作した.その結果,20マイクロワットという従来より1/50程度の極低しきい値での室温連続動作を達成した.この素子を電流注入素子と共に利用すれば,全光制御型集積回路が構成できる可能性があり,本素子の応用範囲が広がった.次に完全単一モードについては,新たにディスクに回折格子を設けたマイクロギア構造を提案した.数値解析の結果,この構造は縦横両モードの他に,従来の回折格子では制御不可能な位相の異なるモードも完全に単一化できることがわかった.試作も行い,効果を確認しつつある.電極集積化については,素子を絶縁樹脂で埋め込み,上部電極を別途形成するプロセスを確立した.これにより,素子の大規模集積化が可能になった.以上の研究から,ディスクレーザの極限動作に近づき,その幅広い応用の可能性を実証するという本研究の目的は達成されたものと考える.
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