研究課題/領域番号 |
10450032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
早川 禮之助 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011106)
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研究分担者 |
古澤 浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20282684)
木村 康之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00225070)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1999年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 電気光学応答 / 電気複屈折 / カー効果 / 2次元スペクトロスコピー / 緩和現象 / 高分子 / マイクロエマルジョン / 非線形 / 液晶 / ゲル / 導電性高分子 |
研究概要 |
電場に対して2次の非線形応答である電気複屈折応答の場合には、線形応答の場合と異なり応答関数が2変数で与えられるため、従来行われてきた1次元スペクトロスコピー(単一角周波数ωの正弦波電場を入力して得られた透過光強度の2ω成分をωを変化させながら観測する方法)では電気複屈折応答の有する豊富な情報が十分に引き出せない。 そこで平成11年度は、まず理論的に、2次の非線形応答である電気複屈折応答の非線形応答関数を、一般的な時間発展方程式から出発して導いた。さらに、周波数域測定におけるdc成分の特性、すなわち2次の応答におけるdc成分は1次の応答の情報を含むという性質を導き出した。これにより、電気複屈折応答のdc成分が、線形現応答である誘電緩和応答の実部に対応するという、従来から経験的に知られていた等価性が非線形現象論の立場から裏付けられた。一方、実験的には、この非線形応答関数が、2次元スペクトロスコピー(角周波数がω_1およびω_2である2つの正弦波電場の和信号を入力とし、ω_1とω_2の両方を変化させながら応答を観測する方法)により直接得られることを示した。 平成12年度はさらに、従来の配向分極とは異なる複屈折機構を扱うことを試み、その中でも分子の変形過程に着目した。分子自体が変形すると、その変形によっても試料溶液は複屈折性を持つようになるため、分子の配向だけでなく分子の変形も複屈折の要因になる。そこで、変形による電気複屈折という現象を記述するためのモデルを検討し、この変形過程を実現するための試料としてマイクロエマルション系を選び2次元スペクトロスコピーを行なった。この結果、高周波数域での界面分極による緩和と、低周波数域でのドロップレットの周りを囲む界面活性剤膜の変形による緩和の2つの緩和が観測された。
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