研究課題/領域番号 |
10450079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 秀昭 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (30170343)
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研究分担者 |
丸田 薫 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (50260451)
花井 宏尚 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (30312664)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 高圧燃焼 / 乱流燃焼 / LIF / 乱流燃焼速度 / 不安定性 / フラクタル / カットオフスケール / 予混合燃焼 / OHラジカル / 吸収スペクトル |
研究概要 |
本研究は、高圧乱流燃焼の基礎現象解明を日指し、一定圧力・高圧雰囲気中に保炎された乱流予混合火炎に対し高圧下の乱流火炎構造の詳細な観察、フラクタル特性値に対する圧力効果の調査、高圧下の乱流燃焼速度やフラクタルスケールに対する、乱流スケール・乱れ強さ等との関係を明らかにすることを目的とする。 研究の第一段階として、OH-PLIFによる高圧火炎可視化技術の確立を目指し、高圧容器内にノズルバーナを設置し、大気圧から3.0MPaまでのメタン-空気定在火炎に対してNd-YAGレーザーによりポンピングされるOPO波長可変レーザーおよび色素レーザーでOHラジカル(0,0)バンドおよび(1,0)バンドを励起し、OH-LIF強度と圧力との関係を調べた。レーザー線幅および吸収スペクトルのブロードニングの影響を考慮したシミュレーションも併せて行い実験結果と比較した。その結果、圧力の増大に伴うLIF強度低下は吸収スペクトルブロードニングの影響が大きいことが明らかになった。また、励起レーザーの線幅が大きいと線幅が小さい場合に比べてLIF強度は小さいが、圧力増大に対するLIF強度低下も小さくなること、雰囲気圧3.0MPaでは線幅の影響がほとんどなくなることが分かり、実験結果と良好な一致を示した。これらのことから、吸収線スペクトル分布と励起レーザースペクトル分布のオーバーラップを計算することにより高圧下のLIF強度低下を見積もることができることが分かり、OH-PLIFによる計測条件に対する指針が得られた。 続いて、OH-PLIF法を高圧乱流火炎の瞬時断面像撮影に適用し、高圧乱流火炎の現象解明を行った。特に、乱流火炎構造の微細化・複雑化を定量的に評価する手法として、OH-PLIF画像に対するフラクタル解析を行った。その結果、u'/S_Lが等しい場合、雰囲気圧力が高いほどフラクタル次元が大きいこと、すなわち火炎構造が複雑化していることが数値的にも明らかになった。圧力が増大するとフラクタルインナーカットオフも低下するが、u'/S_Lに対するインナーカットオフの低下は高圧であるほど小さく、u'/S_Lの全域でインナーカットオフがほぼ一定であることが分かった。このときのインナーカットオフと乱流スケールなど種々の特性スケールを比較したところ、最も相関が強いのが火炎の流体力学的不安定性における擾乱成長率が最大になる特性スケールであることが明らかになった。火炎の流体力学不安定性の重要性は、乱れがほとんどない混合気流に対しても高圧下では明確な不安定性が発生しているという観測結果によっても裏付けられた。
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