配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
環境変動に及ぼす回転・密度成層乱流輸送現象の直接数値シミュレーションを行い,以下のような結論を得た. 1.安定成層下にある回転乱流について,鉛直渦の回転方向の偏りに及ぼす内部重力波の影響を詳細に検討した.その結果,鉛直渦の回転方向の偏りは内部重力波の強さに影響され,強い内部重力波が発生するような場合ではサイクロニック渦が強められること,また内部重力波の影響が小さく無視できるような場合では,アンチサイクロニック渦が強くなることを明らかにした. 2.鉛直渦の回転方向に偏りが発生する原因は,コリオリ力による線形渦伸張が渦の生成または消滅に寄与し,さらに非線形作用による渦伸張の影響を受けることによることを初めて突き止めた. 3.流体のプラントル数は内部重力波の強さに影響し,鉛直方向渦の回転の偏りに影響する.特に,低プラントル数の回転成層乱流では,流れ場は2次元的になり,鉛直方向に伸びた2次元渦柱の生成が示された. 4.水平方向温度勾配および鉛直方向速度勾配が加わった場合(サーマルウインドと言う)における鉛直渦の回転の偏りへの影響について検討した.この結果,乱流諸量や渦構造は安定成層の強さやレイノルズ数により影響を受け,安定成層が弱くレイノルズ数が小さい場合,コリオリ力による線形渦伸張と非線形渦伸張によりサイクロニック渦が優位となる.逆に,レイノルズ数が高くなると非線形渦伸張項が卓越するため,サイクロニック渦の優位性はなくなる.但し,レイノルズ数が高い場合でも,それに応じて安定成層が強くなるとサイクロニック渦が強化されることが明らかにされた. 5.不安定成層と回転の重畳効果について検討した結果,回転軸を渦軸とする長く伸びた渦柱が生成されること,そしてこの渦柱の生成は,回転角速度と鉛直方向歪み速度による線形渦伸縮によることが明らかになった.但しこの現象が発生する場合でも,鉛直方向の歪み速度が増大するような非線形作用が必要不可欠であることを見出した. なお,これらの結果の主要部は,Webでデーターベースとして公開する.公開するアドレスは, http://www.heat.mech.nitech.ac.jp/database/DNS.htmlである.
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