研究課題/領域番号 |
10450087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
深野 徹 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60037968)
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研究分担者 |
渡部 正夫 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30274484)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 原子炉 / 核燃料棒 / スペーサ / 限界熱流束 / 流動様相 / 加熱壁面温度変動 / 過渡変動 |
研究概要 |
BWR型原子炉燃料棒支持用スペーサを模擬した円筒型の障害物を環状流路内に設置し、その近傍の加熱された内管表面上でのドライパッチ生成の状況を高速度ビデオを用いて詳細に観察し、同時にスペーサ近傍の加熱表面温度の時間的変動を管軸方向に異なる6断面で計測した。本年度は特に熱流束q、入口クオリテイxが急変する場合の過渡的温度変動挙動をバーンアウト発生に関連して調査し、以下の結論を得た。 (1)加熱壁面上の大振幅の温度変動は、液膜の薄層化による熱伝達の向上に伴う温度の急低下と、それに引き続く液膜のドライアウトによる伝熱劣化による温度の急上昇に因る。(2)加熱部ヘサブクール水が流入する場合には、ドライアウト発生に因る温度変動はみかけの蒸気速度j_Gが15〜20m/sで増大し、最大5°Kに達する。j_G>20m/sでは熱流束の増加にもかかわらず減少する。これは環状流が発達し平均的な流れになるからである。ドライアウト発生は、前者の条件下ではドレーニジによるもの、後者では基底液膜の蒸発によるものが支配的である。(3)加熱部入り口でボイドを持っている場合には、低液流量(j_L=0.1m/s)で入口の流動様式がスラグ流であると、その圧縮性によって系全体の流れが不安定になり、ドライアウト発生時の最高温度はスペーサ上流側で140℃に達することがある。以上をqとxとでまとめたドライパッチ発生領域の線図を得た。(4)過渡変動時の温度変動特性として、熱流速が急変した場合にはそれが増加するか減少するかに関わらず、次の平衡状態に穏やかに遷移していく。(5)入口クオリテイが急増する場合にも比較的穏やかに遷移するが、急滅する場合にはその変化幅が増大する程バーンアウトが生じ易く、j_Gの変化にして、例えば30m/sから20m/sへ減少するように、その変化幅が10m/s以上になるとバーンアウトが生じ危険である。
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