研究課題/領域番号 |
10450095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉本 堅一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011074)
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研究分担者 |
中村 仁彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20159073)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1998年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | 行動プリミティブ / 脳型情報処理 / 短期・長期記憶 / ミメシス / 確率的ニューラルネットワーク / 隠れマルコフモデル / ヒューマノイド / センサー / 行動発現 / 非線形力学 |
研究概要 |
研究目標に沿って研究を実施した結果、以下のような成果を得た。 (1)手・腕・眼や多数の外界センサーをもつ上半身ロボットの開発 両手、両腕、両眼をもつロボットに数多くの力覚・触覚センサーと組み込んだシステムを開発した。各手・腕の基本的な動作ユニットを用意し、これらを運動学・動力学の計算にもとづいてフィードバック制御するプリミティブ・ビヘービアの試作を行った。上半身ロボットとその基礎的なプリミティブ・ビヘービアからなるシステムのプロトタイプを完成させた。 (2)ビヘービアネットワークに力学構造をもたせた情報処理 運動機能に関係する脳型情報処理の仮説として、プリミティブ・ビヘービアをセンサー情報の非線形関数の加重線形和として重ねあわせて行動発現するモデルを採用した。これは研究代表者がロボットハンドの把握動作の発現機構として提案し、研究を行なっているモデルを上半身ロボットに適用したものである。このロボットを用いて反射的な把握が行えることを確認した。 (3)二重貯蔵モデルをもつ脳型記憶情報処理 短期記憶と長期記憶のメカニズムが人間の脳の記憶の特徴を形作るといわれている。本研究では両方の記憶モデルをニューラルネットワークを用いて連想記憶システムとして設計・実装した。さらに(1)の上半身ロボットを用いて、リハーサルによる短期記憶から長期記憶への移行と、連想記憶の再生による「思い出し実験」を行い二重貯蔵モデルの根拠とされる初頭性効果、親近性効果が現れることを確認した。 (4)自己行動要素による他者の行動理解 一部の大型霊長類と人間がその他の動物と一線を画する脳の情報処理機能を持っていることは、特に他者の行動の物まねを自分の身体でできること(ミメシス)であるという説が注目されている。ミメシスは言語の発生やそれによる脳と言語の共進化の源とも言われている。本研究では自己行動の行動要素を用いて他者の行動を分節化、記号化し、さらに一つのグラウンドされたシンボルとする機能を、確率的ニューラルネットワーク、隠れマルコフモデルを用いて実装することを提案し、人間の全身運動に関するシミュレーションにより基礎的な検証を行った。
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