研究課題/領域番号 |
10450104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小崎 正光 岐阜工業高等専門学校, 校長 (80023191)
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研究分担者 |
長尾 雅行 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30115612)
所 哲郎 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (10155525)
北川 恵一 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (20043086)
村本 祐二 (村本 裕二) 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70273331)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | エチレンプロピレンゴム(EPR) / 充填剤 / トリーイング現象 / 電気絶縁性能 / 極低温領域 / 超電導電力機器 / 超伝導電力機器 |
研究概要 |
本研究では、エチレンプロピレンゴム(EPR)に配合される充填剤に焦点を当ててその種類及び量を系統的に変化させ、極低温領域におけるEPRの電気絶縁特性に及ぼす充填剤の影響の詳細を調べ、充填剤の最適化を試みる。EPRの電気絶縁特性に及ぼす充填剤の影響として、直流絶縁破壊特性および空間電荷分布の計測から、充填剤界面が電荷をトラップし空間電荷の進展を妨げる可能性が示唆され、電気絶縁性能の向上の可能性を示すものとなった。また充填剤配合量を変化させたとしてもEPRの機械的特性は、配合量の影響を殆ど受けないことがわかった。また極低温における空間電荷注入量の面からも検討を行ったが、充填剤の有無、配合量の影響は殆どなく、トリーの発生原因となる電荷の注入が室温に比べて極めて少ないことがわかった。さらに極低温におけるEPRの機械的特性及び電気的特性の評価を行った結果、引張破壊強度はEPR及び架橋ポリエチレン(XLPE)が低密度ポリエチレン(LDPE)に比べ高い値を示した。EPRの収縮率は充填剤の効果により、他の試料に比べ押さえられることがわかった。電気絶縁の面からは、室温において充填剤か15phrの直流絶縁破壊の強さ(Fb)が最も高く、Fbの充填剤配合量依存性にピークを持った。この原因として、空間電荷の影響であることがわかった。また空間電荷の面から極低温における空間電荷の注入量は室温に比べ少なく、注入した空間電荷の外部電界による移動も少ないことが示された。本研究における研究成果は、現状電力システムとの整合性を念頭においた交流超伝導電力機器あるいは将来を見通した直流超伝導電力機器に適用する絶縁材料と成り得る可能性を評価できうる。本研究を通して極低温における電気絶縁特性改善の手法を確立することによりゴム材料が有する潜在的に卓越した絶縁性能の特徴を顕在化させ得ることができた。
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