研究課題/領域番号 |
10450115
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
荒井 滋久 東京工業大学, 量子効果エレクトロニクス研究センター, 教授 (30151137)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 半導体レーザ / 量子細線レーザ / 歪量子細線レーザ / 多重極微共振器レーザ / GaInAsP混晶 / 電子線リソグラフィー / 有機金属気相成長法 / ドライエッチング |
研究概要 |
本研究では、通信用長波長半導体レーザの超低電流・高効率動作を実現することをめざしており、二軸性応力の加わった歪量子細線および歪量子箱構造の形成法を確立すると共に、これらの構造のサイズ揺らぎ要因の解明と低減を行うことを目的として行い、以下に挙げる成果を得た。 1)電子線リソグラフィー、メタンと水素の混合ガスによるドライエッチングと2回の有機金属気相成長法によって、周期100nm、幅21nmの2層歪量子細線を活性層とするGaInAs/GaInAsP/InP多層歪量子細線レーザを世界で初めて実現した。 2)エッチング後の極微細線側面部へのInP結晶埋め込み過程での非発光再結合中心の発生を抑制することを目的として、元ウェーハを歪補償量子井戸構造とすることにより、周期100nm、幅43nmの一様なサイズを有する5層歪補償擬量子細線レーザを実現した。しきい値電流密度は、室温において318A/cm^2であり、1回の結晶成長で作製した同一層構造5層歪補償量子井戸レーザの約60%と低く、また微分量子効率は僅かであるが高い値が得られた。このように、量子薄膜レーザを凌駕する低電流・高効率特性は温度85℃まで得られた。これらの結果より、本研究エッチングおよび埋め込み成長プロセスが極低損傷性に優れた極微構造形成法であることを実証した。 3)本研究で開拓した極微構造形成法を用いて、2層歪補償量子井戸細線状活性層が周期状に配置された分布帰還(DFB)レーザを試作した結果、光ファイバ通信用1.55μm波長単一波長レーザとして、世界最小のしきい値電流(0.7mA)動作および最高の微分量子効率(23%/端面)を達成した。また、この細線状活性層を有するDFBレーザが、光の定在波ピーク位置と活性層位置の空間的整合(利得整合)効果による優れた単一波長安定性を有することを理論的に解明した。
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