配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
自律的な故障修復能力を持つニューラルネットワークの評価対象として自己組織化マップ(Self-Organizing Map)を選び,その自律的な欠陥救済能力を定量的に評価した.本研究では任意の誤り出力について評価モデルを提案し,その解析結果から,自己組織化が可能か否かを評価した.この結果, 1)臨界誤り出力値を導き,欠陥ニューロンの出力の平均値がこの臨界誤り出力値以上であれば,自己組織化が可能であることを明らかにした.ニューロコンピュータを用いた基本実験により臨界誤り出力値の存在を確認し,解析結果と良く一致することを示した. 2)画像圧縮,顔画像認識の2つのアプリケーション中に欠陥ニューロンを入れた実験を行い,臨界誤り出力値がアプリケーションにおいても有効な指標となることを示した. さらに本研究では,ニューラルネットワークはもとより広く生体の情報処理メカニズムを利用することで,自律的な故障修復能力を持つ集積回路が構築できると考え,進化アルゴリズム(遺伝的アルゴリズム,遺伝的プログラミング等)も対象としてその集積回路化を検討した.進化アルゴリズムに基づくハードウェアの自律的な故障修復能力を評価するためシミュレーション実験を行うと共に,再構成可能集積回路(Field Programmable Gate Array)を用いて実際に試作機を開発し実験を行った.この結果,高いフォールトトレランスとGraceful Degradationが観測された.これらの実験結果により,ニューラルネットワーク,および遺伝的アルゴリズムを用いた集積回路は,故障回路が存在する場合でも高いフォールトトレランス性能を持つことが分かり,自律的に故障修復する集積回路の実現可能性を示すことができた.
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