研究分担者 |
松尾 栄治 山口大学, 工学部, 助手 (10284267)
中村 秀明 山口大学, 工学部, 助教授 (20207905)
浜田 純夫 山口大学, 工学部, 教授 (30164908)
鈴木 基行 東北大学, 大学院, 教授 (60124591)
宮川 豊章 京都大学, 大学院, 教授 (80093318)
|
研究概要 |
本研究は,橋梁の維持管理の基本フローをシステム化し,橋梁管理者の意志決定を支援するBridge Management System(BMS)の開発と実用化を目的としたものである.本BMSの構成は,「橋梁診断エキスパートシステム」,「メンテナンスプラン最適化システム」,「維持管理対策選定システム」,「BMSデータベース」かななる統合型システムであり,オリジナリティを有する多くの最新情報処理技術を駆使して開発している.まず,「橋梁診断エキスパートシステム」では,専門家が有する橋梁の耐用性診断過程を階層構造として抽出した診断プロセスを基にプロダクションルームを作成し,階層構造ニューラルネットを用いた推論機構を構築した.この推論機構では,誤差逆伝播(BP)法による学習が容易に実行でき,推論処理および学習によるシステム内の知識の変化をユーザーに対して視覚的に説明できる機能を有している.次に,「メンテナンスプラン最適化システム」では,対象橋梁の寿命が予定供用年数を満たないと診断されると,予定供用年数を満足し,かつ維持管理費用の最小化を目的とした維持管理計画案を策定するとともに,予算制約のある品質の最大化を考慮した最適維持管理計画案を,遺伝的アルゴリズム(GA)を適用することで高速に策定可能とした.さらに,「橋梁維持管理対策選定システム」では,橋梁点検時に見られる損傷からその劣化要因を推定することにより,発生が予測される損傷および劣化要因を考慮した維持管理対策工法の選定を行うことを目的に,因果ネットワーク,GAなどを組み合わせて劣化要因推定のみならず,劣化要因を考慮した維持管理対策が選定されるものである.最後に,上述のように開発された本BMSの一連の画面を示すとともに,「BMSデータベース」を利用してその実用性を検討している.
|