研究課題/領域番号 |
10450179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
浅枝 隆 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40134332)
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研究分担者 |
藤野 毅 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70282431)
ヴ タンカ (ウ゛ カタン / ヴタン カ) 埼玉大学, 工学部, 助教授 (60261880)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1999年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1998年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 富栄養化対策 / 水生植物 / 動物プランクトン食生魚 / 捕食率 / 動物プランクトン食性魚 / 補食率 / 湖沼の再生 / 水質改善 / 動物プランクトン / 動物プランクトン食魚 / 湖沼生態系 / マクロファイト / バイオマニピュレーション |
研究概要 |
本研究では、動物プランクトン食魚としてわが国に多いモツゴPseudorabora parvaを、動物プランクトンとしてミジンコDaphnia pulexを用いて、実験により動物プランクトン食魚の動物プランクトンの捕食特性を調べている。具体的には、餌の密度および魚の空腹度がP.parvaのD.pulexの捕食特性に与える影響を解明した点、障害物の存在が捕食特性に与える影響の解明した点の二つの点について特に取り上げている。これらについて、主に、以下のような点を明らかにしている。 まず、最初の点については、絶食させたP.parvaを入れた水槽に、餌である所定の密度のD.pulexを導入、補充し、ビデオ等を用いて、捕食速度、平均遊泳速度等を求めている。遊泳速度、捕食速度は餌の密度と共に減少、また空腹が満たされるにつれて減少している。また、様々な条件での結果も餌間を魚が移動する速度にほぼ反比例することが示されて、捕食速度を、餌密度、空腹度の関数として与えている。 次に、水生植物のような障害物が散在する場でP.parvaのD.pulexの捕食に及ぼす影響を調べている。障害物としては木綿糸を用い、様々な障害物密度、餌密度について調べている。捕食速度、遊泳速度は障害物の密度、餌密度、空腹度に対しMonod関数もしくは指数関数的に減少することが示されている。特に、捕食速度は障害物の間隔が体長と同程度になると急激に減少することが示されており、この間隔が尾ヒレの1回のビートで泳ぐ距離に相当し、この間隔より小さくなると障害物に衝突しやすくなるため捕食速度が減少するとしている。これより、植生や人工物によって動物プランクトンの捕食を減少させるには対象とする魚の体長程度の密度が必要であることを結論している。 以上、得られた結果は、動物プランクトン食魚と動物プランクトンの関係の解明に貢献するだけでなく、動物プランクトンの生存量を増やすために用いられる施設の設計に対して極めて重要な情報を与えている。
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