配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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研究概要 |
本研究は結晶構造内に空洞や細孔を有し,典型元素酸化物であるSnO_2を主成分とする新しい複酸化物の探索である.これまでに,SnO_6八面体(1×2)個分のトンネル内にLiイオンを有したラムスデライト型構造を持つLi_2MgSn_3O_8が報告されてきた.そこで,このトンネル内に存在するLiイオンより大きなアルカリイオン種,K,Rbイオンなどを用いてホーランダイト(2×2),ロマネカイト(2×3),トドロカイト(3×3)型構造からなる化合物の創製を検討した.その結果,ホーランダイト型構造を有する単斜晶系のA_xMg_<x/2>Sn_<8-x/2>O_<16>(x≦2)(K,RbとCs)とK_xCa_<x/2>Sn_<8-x/2>O_<16>(x≦2)を新たに合成した. さらに,これら新しい化合物がイオン伝導および電子伝導性を併せもち,広い温度域で高い伝導度を示すことを期待した.そこで,K_xCa_<x/2>Sn_<8-x/2>O_<16>を例にとり,この化合物の電気的性質を評価するため,フラックス法を用いた単結晶育成を検討した.過剰なK_2CO_3をフラックスとすることによって,K_xCa_<x/2>Sn_<8-x/2>O_<16>(x≦2)の繊維状結晶が一方向に束なった1.5mm×0.2mm×0.2mmの大きさをもつ多結晶体が得られた.こうして得られた多結晶体について導電率を測定することにより,室温における導電率:σ_<300>=2.2×10^<-9>Ω^<-1>・m^<-1>,活性化エネルギー:0.63eVを求めることができた.これら値は空間的に制限されたトンネル内におけるKイオンによるイオン伝導であると結論できた. 本研究により,新しいホーランダイト型化合物A_xMg_<x/2>Sn_<8-x/2>O_<16>(x≦2)(K,RbとCs)とK_xCa_<x/2>Sn_<8-x/2>O_<16>(x≦2)のイオン伝導体材料への応用が期待できた.
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