研究課題/領域番号 |
10450248
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
香川 豊 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50152591)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1999年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1998年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | 繊維強化複合材料 / 界面せん断滑り応力 / 真実接触面積 / プッシュアウト試験 / プッシュバック試験 / 界面力学特性 / 界面の凹凸 / 定量評価 / Al_2O_3マトリックス系複合材料 / SiCマトリックス系複合材料 / せん断滑り応力 / ガラスマトリックス系複合材料 / 炭素コーティング / 繊維強化セラミックス |
研究概要 |
繊維強化型複合材料の力学特性は界面力学特性に大きく影響される。したがって、界面力学特性を正しく評価するとともに、界面での力の伝達機構を理解することが必要である。界面力学特性としては剥離と滑り時の力の伝達機構を分離して考えることが必要になっている。本研究では、力の伝達がミクロな界面での真実接触部分で行われるという考え方を導入し、界面の状態を変化させた種々の複合材料の界面せん断滑り応力の発生する機構を評価・解析することを試みた。具体的には、(1)界面せん断滑り応力に及ぼす表面粗さの影響、(2)真実接触部分の力の伝達を用いたせん断滑り応力の定量評価、(3)真実接触面積を用いた考え方の応用、を検討した。 界面せん断滑り応力に及ぼす滑り界面での表面粗さの影響を異なる表面形状を持つ繊維とエポキシマトリックスを複合化したモデル材料を用いて評価した。界面力学特性の評価にはプッシュアウト、プッシュバック試験を用いた。その結果、界面せん断滑り応力は滑り表面での界面の凹凸に大きく依存することが確かめられた。ついで、界面の凹凸の幾何学的形状に着目し、界面せん断滑り応力(τ_s)が滑っている界面の真実接触部分の真実接触面積(A_r)を用いて、τ_s=(A_r/A_a)・τ_0で表されることを理論的に示した。ここで、A_aは見かけの接触面積、τ_0は真実接触部分でのせん断滑り応力である。この解析方法を用いてSiC繊維強化ガラス系複合材料の界面せん断滑り応力の定量評価を可能とした。これらの結果を工業的な材料系であるAl_2O_3繊維強化Al_2O_3の界面せん断滑り応力の定量評価に応用し、界面せん断滑り応力に及ぼす材料組織の影響を定量的に解釈することができた。
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