研究課題/領域番号 |
10450260
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 正治 京都大学, 工学研究科, 教授 (90029108)
|
研究分担者 |
乾 晴行 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30213135)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
|
キーワード | 遷移金属シリサイド / ダシシリサイド / 強度 / 積層欠陥 / 変形 / 転位芯 / 超高分解能電子顕微鏡観察 / ダイシリサイド / 方向性原子結合 |
研究概要 |
Iva-Via族の高融点金属のダイシリサイド(disilicides)は、一般に高温強度、耐酸化性、熱伝導率等に優れ、かつ比較的軽量であることから、次世代の高温材料として注目されている。これらのダイシリサイドは、C49構造に結晶するZrSi_2とHfSi_2を除き、C11_b(正方晶)、C40(六方晶)、C54(斜方晶)のいずれかの構造に結晶する。しかし、これら3種の構造はともに比較的単純で、互い類似しており、いずれの構造が安定になるかを決める相対的安定性は原子間結合の特徴、特に原子間結合の方向性と密接に関連している。本研究では、変形に対する方向性結合効果を理解することに重点を置きつつこれらシリサイドの変形機構を解明することを試みた。 まずC11_b、C40、C54型構造に結晶する多数のダシリサイドの変形を研究し、変形応力の温度依存性を明らかにした。その結果、(1)これらダイシリサイドは比較的低温でも変形するグループ(たとえばVsi_2、NbSi_2、TaSi_2)と、700℃以上の高温域でのみ変形するグループ(たとえばCrSi_2)に別れること、(2)それぞれのグループの等価なすべりを担っている転位のcore structureが基本的に同じであること、等を明らかにした。さらにC40/C11_b相対相安定性を系統的に変化させる合金元素を添加したシリサイドについて、それぞれのグループに属するシリサイド中の転位のcore structureを超高分解能電子顕微鏡によって詳細に観察し、転位のcore structureの決定的な変化(変形機構の変化)がどのような過程を経て起こるのかを明らかにした。 これらダイシリサイドの中でも次世代の超高温構造材料の有力候補としてMoSi_2が最も注目されているので、第3元素、特にC11_b型構造及びその構造と類似性のあるC40型構造のダイシリサイドを形成する遷移元素(前者としてW、Re、後者としてCr、Nb、V、Al)を添加したMoSi_2基3元シリサイドの1200℃-1400℃におけるクリープ挙動とクリープ特性を研究した。その結果、W、Re、Nb、Alは二元系MoSi_2において最大の強度を示す[001]方位の降伏応力を増大させること、特に、NbとRe添加の効果が大きいこと等、多くの興味ある結果を得た。
|