研究課題/領域番号 |
10450286
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
駒沢 勲 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029476)
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研究分担者 |
佐藤 博 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (60283743)
平井 隆之 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (80208800)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 超微粒子 / 逆ミセル / 量子サイズ効果 / 複合材料 / ポリマー / メソポーラスシリカ / 光触媒反応 / 水素生成 / ポリマ- / メソポ-ラスシリカ / 固定化 |
研究概要 |
1.逆ミセルを用いる超微粒子の調製:生成機構と粒径分布の解析、応用 逆ミセル系において超微粒子を高濃度で安定に調製する手法について検討した。さらに、逆ミセル系での凝集過程のポピュレーションバランスモデルを構築し、粒径分布の表現が可能であることを示したほか、AFM測定を行った。 2.逆ミセル系で調製した超微粒子のチオールを介するポリマーおよびシリカマトリクスへの固定化と機能材料の調製 逆ミセル系で調製したCdS超微粒子の表面をチオール分子で修飾して回収し、これを再分散した溶液中で重合を行い、ナノCdS固定化ポリチオウレタンおよびナノCdS固定化ポリウレタンを調製した。これらの複合粒子は2-プロパノール水溶液からの水素発生に対する光触媒として作動したほか、後者は極性有機溶媒に可溶であり、塗布・乾燥により容易に透明薄膜を作成できた。粉末光触媒や光学機能フィルムとして、用途に応じた最適な形態で使用できることを示した。また、メトキシ基を有するチオールで回収したCdS超微粒子を添加したゾルーゲル法によって、吸光特性を簡便に制御可能なCdS固定化シリカコロイドやシリカガラスを調製できることを示した。 3.逆ミセル中でのin situ重合反応による超微粒子のポリマーへの固定化と機能材料の調製 ジイソシアナートと逆ミセル内水相の水との反応によりポリ尿素が生成する反応を利用して、超微粒子の種類を選ばずポリ尿素に固定化できることを示した。得られた複合体は光触媒として利用できるほか、溶媒に溶解・塗布・乾燥により薄膜形成も可能であった。また、エチレングリコールを可溶化した逆ミセル系にジイソシアナートを添加することにより、超微粒子固定化ポリウレタンが得られた。さらに、二重結合を有する界面活性剤を用いて形成した逆ミセル溶液中で超微粒子を調製後、界面活性剤を重合することで超微粒子を固定化できることを示した。 4.チオール基修飾機能性ポリマー粒子を用いる逆ミセル溶液からの超微粒子の直接回収・固定化と複合材料の創製 チオール基を有するポリスチレン粒子を合成し、これをCdS超微粒子を含む逆ミセル溶液に添加することによって超微粒子を回収・固定化した。得られた複合材料は水の光分解による水素発生の触媒として作動し、その吸収波長特性は超微粒子の粒径制御により簡便に制御できた。 5.逆ミセル系で調製した超微粒子をメソポーラスシリカ細孔へ固定化した複合材料の調製 表面をチオール基で修飾した、数nm径のメソ細孔を有するメソポーラスシリカを逆ミセル溶液に投入し、逆ミセル中からの超微粒子の回収・固定化を行った。固定化率は細孔径が大きいほど、粒子径が小さいほど増大し、両者の関係によって固定化率が変化する、いわゆる「粒子ふるい効果」か発現することを初めて見いだした。得られた超微粒子-メソポーラスシリカ複合材料は水の光分解による水素発生に対して光触媒活性を示すことを見いだした。
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