研究分担者 |
秋 庸裕 (秋 庸祐) 広島大学, 工学部, 助手 (80284165)
重田 征子 広島大学, 工学部, 助教授 (10034381)
小埜 和久 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10144883)
河本 正次 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (90294537)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1998年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
n-3系高度不飽和脂肪酸としては,プロスタグランジン3群の直接の前駆体であるエイコサペンタエン酸(EPA,C20:5n-3)及び脳神経系での極めて重要な働きが知られてきたドコサヘキサエン酸(DHA,C22:6n-3)が注目されている。しかし,その中間体であるドコサペンタエン酸(DPA,C22:5n-3)は,最近になって冠状動脈硬化抑制因子としてEPAの10〜20倍の活性を持つことが報告されたものの,その重要性は十分に認知されておらず,また,脂質素材としての供給源が極めて限られており市場化されていない。本研究では,n-3DPAの微生物による生産技術の開発を目的とした。まず,日本近海などから高度不飽和脂肪酸生産微生物を探索し,DPA生産性について検討した。その中で,n-3DPAを1-3%含む海洋性微生物Thraustochytrium sp.KK17-3株について,培養条件の検討と脂質生産特性の解析を行い,その有用性を認めた。これら海洋性微生物における高度不飽和脂肪酸の生合成酵素及びその遺伝子を高度利用するために,未解明である生合成機構の解析を行った。その結果,真核生物としては全く新規な経路の存在が考えられ,最終産物であるDHAが生合成されるまでの中間体はn-3DPAではなく,n-6DPAであることが示唆された。しかし,実際に菌体内に存在するEPAやn-3DPAの生合成には,真核型の脂肪酸不飽和化経路が重要であると考え,Δ12及びΔ6不飽和化酵素遺伝子の単離を試み,部分断片の取得に成功した。
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