研究課題/領域番号 |
10450325
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
佐々木 政子 東海大学, 総合科学技術研究所, 教授 (00090514)
|
研究分担者 |
若木 守明 東海大学, 工学部, 教授 (20100993)
神取 秀樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70202033)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | レチナール / モンモリロナイト / ロドプシン / シッフ塩基 / プロトン化 / 界面活性剤修飾粘土 / 光異性化 / 光機能性材料 / オプシン蛋白 / レチナールシッフ塩基 / 両親媒性 / 陽イオン界面活性剤 |
研究概要 |
本研究の目的は第1に、レチナールがオプシン蛋白質中で示す光応答反応の生体外シミュレーションを修飾粘土鉱物モンモリロナイト反応場で行いその分子機構を解明すること、第2は、レチナールが生体反応場で示す幅広い可視吸収体発現と高速かつ可逆な光異性化反応を光機能性材料へ展開するための諸因子抽出と試行実験である。 モンモリロナイトはサブミクロンオーダーの薄いシート状粘土粒子で層構造を形成する。この層間表面はマイナスに帯電しており、層間には交換性陽イオンが存在し立体的かつ静電的に特異な反応場である。 本研究では層間陽イオンをカチオン界面活性剤分子で交換置換させ、かつプロトン供与能を付加させた。層間はこれにより親水性と疎水性が独立に共存する反応場になった。この反応場を使って、レチナールの可視吸収体発現と光異性化を実現できた。設計した反応場は生体蛋白質オプシンの機能(アミノ酸によるプロトン化と可逆的光異性化)を、世界ではじめて生体外で再現したといえる。 成果の概要を下記に箇条書きでまとめる。 1)生体外で強酸を使わず、視覚の初期過程でプロトン供与体として働く、弱酸分子グルタミン酸を使って常温においてレチナールシッフ塩基の幅広い吸収体発現を実現させた(投稿中)。 2)可視吸収発現における波長調節をモンモリロナイト層間に交換修飾させる陽イオン界面活性剤の種類を変えることによって可能とした。 3)この反応場は生体蛋白質によく似た光異性化制御を行った。11-cisレチナールシッフ塩基は生体系と同じようにall-trans体のみに効率よく光異性化した。また、この反応は可逆的に行われた。 4)光異性化は77Kの低温でも観測された。低温での光異性化はこれまで報告された例はない(投稿中)。 5)修飾粘土モンモリロナイト層間にインターカレートさせたレチナールシッフ塩基の光応答を非線形工学材料に応用するための試行実験を行い、その可能性を見いだした。
|