研究課題/領域番号 |
10450332
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横尾 俊信 京都大学, 化学研究所, 教授 (90158353)
|
研究分担者 |
金 基孫 京都大学, 化学研究所, 助手 (30303895)
高橋 雅英 京都大学, 化学研究所, 助手 (20288559)
内野 隆司 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50273511)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1998年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
|
キーワード | 中距離秩序 / ガラス融体 / フラジリティ / ペアファンクション法 / 局所原子構造 / X線動径分布解析 / 熱膨張 / 分子動力学 / 高温X線回折 / ガラス構造 / 短距離秩序 / 動径分布解析 / Unixプログラム |
研究概要 |
本研究では実用ガラスに近い組成を持つガラスの融体構造を高温X線回折により調べる。高温X線動径分布解析により短距離ならびに中距離構造に関する情報を求め、融体ならびにガラスの構造を解明する。 我々の研究室に既に設置されているリガクのRINT-1200S X線回折装置に、新たに購入したリガクの試料高温装置を装着し、測定が行えるようにした。さらに、測定したデータを解析するプログラムを開発した。具体的には、UnixプログラムでC言語を用いて非常に汎用性の高い解析プログラムを作成した。次いで、実際に16Na_2O・10CaO・74SiO_2高温ガラス融体に対して予備実験を行った。解析プログラムはほぼ完全に働くことが分かった。 16Na_2O・10CaO・74SiO_2ガラス融体(1500℃)の構造をX線動径分布解析により調べる手法を確立した。フルヤ金属社製ZrO_2微粒子分散FKS16Pt-10%Rhリボンヒーターを用いることにより1500℃という高温でも安定して測定ができることを確認した。得られた結果は以下の通りである。ガラスおよび融体の動径分布関数を比較した結果、第一配位圏Si-O距離と第二配位圏Si-Si距離およびそれらの分布にはほとんど変化は認められなかった。分子動力学計算もこの結果を支持した。分子動力学計算がらNa-OおよびCa-O距離の分布が融体では著しく広がることが分かった。特に、その傾向はNa-O結合において顕著であった。すなわち、ソーダ石灰シリケートガラスの熱膨張は、主としてNa-O結合の非調和振動により支配されている。本研究で得られる動径分布解析から明らかとなる融体構造についての知見は、(1)そのガラスのフラジリティが分かることから操業条件について重要な情報を提供してくれることになり、産業分野への波及効果は大きい、(2)ガラス融体のその他の物性値の解釈に際して重要な指針となる、という点で意味がある。 以上の成果を、論文にまとめ国際誌に投稿した。
|