研究課題/領域番号 |
10450337
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
石井 康敬 関西大学, 工学部, 教授 (50067675)
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研究分担者 |
坂口 聡 関西大学, 工学部, 助手 (50278602)
中林 安雄 関西大学, 工学部, 助教授 (70172385)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | パラジウム / ヘテロポリ酸 / Wacker酸化 / ハロゲンフリー / シクロペンテン / アルケン / 分子状酸素 / アセタール化 / Wacker型酸化 / ヘテロポリ酸塩 / 酸素 / アルキン / 一酸化炭素 / 還化三量化 / カルボキシル化 / クロライドフリー |
研究概要 |
Wacker型酸化反応は、アルケンをカルボニル化合物へ変換する手法として工業的にも広く用いられており、従来よりPdCl_2/CuCl/O_2系を用いた方法が知られている。しかしながら、この反応系では遊離した塩素により含塩素化合物の副生や反応器材を腐食するなどの問題があった。本研究では、Pd種とモリブドバナドリン酸塩(以下、NPMoVと略記)を活性炭に担持させた触媒(以下、[Pd(OAc)_2-NPMoV/C]と略記)を調製し、分子状酸素を酸化剤とするアルケンの酸化反応について検討した。 含侵法により調製した[Pd(OAc)_2-NPMoV/C]触媒存在下、シクロペンテンをエタノール/水の混合溶媒中メタンスルホン酸を添加し、酸素雰囲気のもと50℃で反応させたところ、シクロペンテノンが85%の収率で生成することが分かった。一方、アクリロニトリルを基質に用い、メタノール中本触媒系により反応行った際には、ビタミンB1の前駆体であるシアノアセトアルデヒドジメチルアセタールがほぼ定量的に得られた。この他種々のアルケンについても同様に効率よく酸化反応が進行した。本反応は、不均一系であるため[Pd(OAc)_2-NPMoV/C]触媒は、反応後ろ過により容易に回収でき、触媒を繰り返し使用できることが明らかになった。 このように、[Pd(OAc)_2-NPMoV/C]触媒系を用いることにより、クロライドフリーな再酸化システムを構築でき、分子状酸素を用いたアルケンの選択的な変換反応に成功した。
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