研究課題/領域番号 |
10450349
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 徳治 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (40124630)
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研究分担者 |
青木 純 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50250709)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | ラングミュアーブロジェット法 / 分子認識 / 刺激応答 / ピレン / 高分子 / ルテニウム錯体 / 光電変換 / 分子環境ラングミュアーブロジェット膜 / N-アルキルアクリルアミド / ポリイオンコンプレックス |
研究概要 |
本研究では両親媒性の機能高分子化合物をラングミュアーブロジェット法を利用し、高次に組織化した高分子ナノ薄膜を作成し、分子や生体分子の刺激に対して生体膜類似の認識や応答機能を電気信号や光に変化する新たな分子センシング、生体分子センサー、情報伝達機能を有する高分子超薄膜を創成し、従来型とは異なった高分子ナノ材料開発を目指すことを目的として研究を行った。 高いLB膜形成能を有するN-ドデシルアクリルアミド、tert-ペンチルアクリルアミドと1-メチルピレンアクリレートの共重合体をラジカル重合により合成した。いずれの共重合体も安定な凝縮膜挙動を示し、共重合成分の側鎖の違いにより、ピレン分子が水面に対して、垂直配向(N-ドデシルアクリルアミド)、水平配向(tert-ペンチルアクリルアミド)であることが示唆された。累積したLB膜について、紫外・可視扱収、蛍光測定をしたところ、単分子膜中での配向がそのまま保持された状態で累積されていることが確認された。ピレン分子の分子環境がN-ドデシルアクリルアミド共重合体ではアルキル鎖に囲まれた状態、tert-ペンチルアクリルアミドでは表面にさらされた状態で溶媒の影響を受けやすい状態であること、また、LB膜中ではキャスト膜にくらべ連動が抑制された状態であることが明らかとなった。 続いて、狽種々の分子認識、刺激応答機能、生体分子を有する高分子LB膜を作成し、分子、生体分子への応答を外部出力として取り出し、高分子ナノ組織体のセンサー機能デバイス化を検討した。分子認識機能団や信号伝達機能を有する両親媒性高分子の設計と合成高分子LB膜を形成する高分子として長鎖アルキルアクリルアミドポリマーを基本に種々の分子認識機能を有する共重合体を合成を行い、ピレン基、ルテニウム錯体、種々のアミノ酸の導入に成功している。 固体基板上に形成した刺激応答性高分子ナノ組織体の光化学的特性の評価機能団を導入した高分子LB膜についても光エネルギー伝達機能などを解析した。主に機能団の分子環境と電子化学的諸特性をも検討を行った。ルテニウム錯体、フェロセン機能団のレッドクス活性の評価データを得た。 刺激応答性高分子ナノ組織体の外部分子、生体分子に対する応答性の評価、相互作用の解析。ポテンションスタット、蛍光分光法などにより分子設計された高分子ナノ組織体の種々の分子との相互作用や刺激応答性、分子センシング機能について検討を行い、素子開発の基本データを蓄積した。その分子認識機構や分子配列との関係について詳細に検討し、分子レべルでの作用機構を明らかにした。
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