配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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研究概要 |
メタロセン系触媒を用いて特徴ある構造制御された新規なポリマーの合成を目的として,以下の課題について研究を行なった。 (1)メタロセン触媒による構造明確なスチレンのマクロモノマーを用いる立体特異性重合 リビング重合を利用した構造明確なスチレン末端型イソプレンおよびスチレンマクロモノマーを合成し、メタロセン触媒による重合について研究した。CpTiCl_3-MAO系のようなシンジオタクチックポリスチレンを与える系での重合から新規構造である立体規則性グラフト共重合体が合成できることを明らかにした。得られた共重合体の熱的性質および結晶化挙動の検討から、主鎖と側鎖のポリマー間の相溶性が結晶化において重要な働きをすることを明らかにした。また、ニッケル錯体を用いイソタクチックポリマーグラフト共重合体を合成した。マクロマー単独の立体特性重合にも成功した (2)塩化ビニルのメタロセン触媒による制御重合 種々のチーグラー・ナッタ触媒によるVCの重合は検討されていたが,明確な配位重合に成功した例は知られていなかった。そこで,種々のメタロセン触媒によるVCの重合により熱安定性の良好な立体規則性ポリマーの合成を検討した。CpTiOR_3-MAO触媒(R:メチル,ブチル)を用いたVCの重合から,高分子量のポリマーが生成することを明らかにした。生成ポリマーの主鎖構造について構造解析を行ったところ、ラジカル重合において認められている異常構造は存在せず、主鎖が制御されたポリマーの合成に成功した。立体規則性については、ラジカル重合物とは異なる立体規則性を有することが明かとなった。 (3)ニッケル系触媒による種々のモノマーの重合 Ni(acac)_2-MAO触媒を用いて種々のビニル系モノマーの重合を検討した。ブタジエンの重合では高弾性率反発が予想される分散度の狭い高シス1,4-ポリブタジエンを合成した。さらに,スチレンとブタジエンの共重合から高シスでその連鎖がランダムである共重合体が合成できることを明らかにした。またメタクリル酸エステルについては、ニッケル系触媒で分子量が制御できることを明らかにした。さらに、この成果をもとに、コバルト系触媒やバナジウム触媒を用いてブタジエンンの重合においてミクロ構造の制御が可能であることも明らかにした。クロム系の触媒では1,2重合が進行し、かなりのイソタクチック性をもつポリマーが合成できた。他の関連触媒によるジエンの重合などにおいて構造が制御されたポリマー合成が可能であることを明らかにした。
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