研究課題/領域番号 |
10450363
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
五十野 善信 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30135321)
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研究分担者 |
高野 敦志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00236241)
河原 成元 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00242248)
高橋 勉 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20216732)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 高分子濃厚系 / 非線形粘弾性 / 大変形 / 絡み合い / ゴム状平坦領域 / 動的弾性率 / 非平衡構造 / 緩和時間 |
研究概要 |
従来、線形・非線形条件下を問わず、粘弾性挙動はすべて分子鎖配置の異方性により生じるものであり、基本的に緩和応力より求められる歪依存性記憶関数ですべて理解できると考えられてきた。レプテーション概念とチューブモデルによる理論もこの考え方に基づいている。高分子希薄系なら従来の考え方は正しい。しかし、分子間に絡み合いが存在する高分子濃厚系では、分子鎖配置異方性とともに、絡み合い構造の変化ならびに回復をも合わせて議論しなければならないはずである。前者は屈折率テンソルの変化、後者はゴム状平坦領域の高さの変化に反映される。したがって、複屈折(屈折率テンソル異方性)ならびに直交微分動的弾性率(変形中のゴム状平坦領域の高さ)の観測を独立かつ同時に行うことにより、高分子濃厚系の非線形粘弾性の本質を議論できるはずである。このような考え方に基づき、既設直交二軸レオメーターに新たに光学複屈折測定装置を組み込み、大変形下における微分動的弾性率と複屈折を同時時分割測定した。その結果、絡み合い構造緩和過程と分子異方性緩和過程は異なり、前者の緩和時間は後者の緩和時間に比べてはるかに長く、絡み合い構造変化は少なくとも室温で事実上不可逆であることが明らかとなった。したがって、高分子濃厚系の非線形粘弾性を議論するには、分子鎖配置の異方性のみならず、絡み合い網目構造の変化ならびに回復過程をも考慮しなければならないと結論できる。
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