研究課題/領域番号 |
10450364
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
谷口 彬雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (00283242)
|
研究分担者 |
小松 通郎 触媒化成工業(株), ファイン研究所, 所長
安達 千波矢 信州大学, 繊維学部, 助手 (30283245)
小山 俊樹 信州大学, 繊維学部, 助教授 (90178393)
小松 道郎 触媒化学工業, ファイン研究所, 所長
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
|
キーワード | 量子効果 / 有機発光ダイオート / フォトニック結晶 / フォトニックバンドギャップ / 単分散微粒子 / アルコキシド法 / コロイド結晶 / レーザー / 自己組織化 / 燒結 / フォトニックバンド / 光制御 |
研究概要 |
フォトニック結晶による薄膜レーザー素子を実現するため、当該研究期間において、下記のように、これまでの有機発光ダイオードの研究成果をふまえたアプローチ、および、真球状微粒子集合体によるフォトニック結晶から光共振器へのアプローチにわけて検討を行い、いずれも薄膜レーザー素子への展開を図る上で重要な成果を得た。 1 200nmのライン&スペース周期構造を持つ有機発光ダイオードの作製と発光特性 基板表面に沿う方向に光の波長程度の周期構造を持つ電流励起有機発光素子を実現した。さらに、この素子からその周期に相当する波長の光が強められる光共振器効果と発光領域の形状による偏光発光特性を観測し、それらが微細周期構造由来の量子効果によるところを明らかにした(平成10年度)。 紫外光による2光束干渉露光法を導入し、10mm×10mm以上の広い範囲に欠陥がない光の波長程度の周期構造をインジウムスズ酸化物透明電極基板上に実現した。また、これを鋳型にして、リフトオフ法により無機化合物材料による微細周期構造も実現した(平成11年度)。 2 可視光領域に完全なフォトニックバンドギャップを形成する3次元フォトニック結晶の作製と光学特性 市販の粒子を使用し、真球状微粒子集合体(コロイド結晶)の配列制御条件を確立し、可視光領域にフォトニックバンドギャップを形成する3次元フォトニック結晶としての光学特性を評価した。触媒化成工業(株)製の単分散SiO_2微粒子水溶液(平均粒子径280nm、固形分濃度20wt%)を使用し、20℃、過湿度雰囲気で酸素雰囲気下のプラズマ処理により親水化されたガラス基板上にキャストしたのち、そのまま静置、乾燥することより面心立方構造のコロイド単結晶に高い配列制御が可能であることを見出した。その透過スペクトルから、フォトニックバンドギャップに由来の減衰を観測し、それが屈折率の周期性によるフォトニックバンド効果であることを確認した(平成10年度)。 まだ実現されていない可視光領域に完全なフォトニックバンドギャップを形成する3次元フォトニック結晶を作製するために、高屈折率材料の単分散TiO_2微粒子を合成し、その単分散性向上について検討した。単分散真球状酸化物微粒子の合成にはアルコキシド法を採用した。先ず、高純度チタニウムテトラエトキシドの脱水エタノール溶液(混合後、0.1mol/l)を攪拌しながら蒸留水の脱水エタノール溶液(混合後、0.3mol/l)を混合し、加水分解、重縮合させた。それを50℃、5時間で熟成させた。次に、遠心機での固液分離と超音波洗浄器での脱水エタノール洗浄を行い、pH11のアンモニア水に分散させた。その結果、幾何標準偏差1.1、平均粒子径500nmのTiO_2微粒子(非晶質、多孔質の水和物)を合成した。そして、高純度チタニウムテトラエトキシドの脱水エタノール溶液の濃度、あるいは、熟成の時の温度を変化させることにより、平均粒子径の制御が可能となることを見出した。また、ZrO_2、Ta_2O_5微粒子においても同様の制御が可能となることを見出した。(平成11年度)。
|