研究課題/領域番号 |
10450375
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
矢島 信之 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (30200489)
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研究分担者 |
佐藤 英一 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (40178710)
川口 淳一郎 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (10169691)
八田 博志 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 教授 (90095638)
井筒 直樹 宇宙科学研究所, システム研究系, 助手 (90184639)
後藤 健 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 助手 (40300701)
雛田 元紀 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (10013674)
栗林 一彦 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 教授 (70092195)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1998年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 金星 / 気球 / 惑星探査 / 軽量球殻 / 電鋳 / フィラメントワインディング / チタニウム合金 / 高温エレクトロニクス / 金星探査 / 二重カプセル / 冷却システム / 軽量球殼 / 高湿エレクトロニクス |
研究概要 |
金星の低高度に浮遊し長期間にわたって探査することを目的とした二重カプセル方式の気球システムの実現方法について研究した。この気球では、直径を1mとした場合、高度20kmにおける総浮遊質量は10.7kgである。 まず、気球本体については、電鋳法によるニッケルコバルト合金製気球では、質量2kg程度で必要強度が達成でき、付加構造物と浮力ガス等の質量を引くと約5kgが搭載重量に分配できることが明らかとなった浮遊期間は1年以上と見積もれる。また、カーボン繊維によるフィラメントワインディング法では、軽量で十分な耐圧強度が得られる最適設計を確立した。問題点は、内側のライナーによるガスバリア性の確保であり、例えば液晶ポリマーを使用した場合、1週間の浮遊期間を得ることができる。以上の2つの方法について、実際に直径25〜30cmのモデルを製作し、各種試験を行い、製造法を確立した。 チタニウム合金のような高比強度金属を用いることも、一般的には最も合理的な選択肢である。種々の薄肉球殻を製作する技術を調査したが、現段階で実用化レベルにあるものは存在しない。しかし、今後の加工法の進歩によっては可能性が浮上すると考えられるので今後の課題とした。 次に、高温下で動作するエレクトロニクス素子については、広く調査を進めた。その結果、最大220℃まで可能なシリーズがすでに実用化されており、これらを用いれば常温動作の素子を用いるより冷却器の負担は約半分に減少することがわかった。したがって、冷却器を含む搭載エレクトロニクスの気球システム重星に対する割合は、当初の研究計画に示した値より大幅に軽減することになった。以上のように、本研究の結果、高温高圧で環境条件が厳しいため実現が困難な低高度金星気球について、気球本体、搭載エレクトロニクス回路、冷却器とも高い実現可能性を不すことができた。
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