研究概要 |
船側バラストタンクの幅,二重底の高さ及び構造部材の板圧などを計画した実船と同じにした大型構造模型を海上で係船して,模型の周囲の海水が連続して交換されるように,係船した船の推進器で海水の流れを発生し,模型の貨物倉の熱媒を加熱して液温(摂氏187度)の定常状態において構造部材の温度を計測した.船倉内の液状熱媒とタンク囲壁板,囲壁板と船側タンク及び二重底内の空気との間の熱伝達は自然対流の平板の熱伝達の式を適用して推定できることを示した。船体を梁構造とした近似計算により,おおよその船体における熱応力を推定できることを示した。また船体中央に横隔壁がある場合と無い場合の熱応力はほぼ等しいことを示した。 有限要素法により二重殻構造タンクに生じる熱と応力の解析を行った.最初に熱分布を求めるがアスファルトタンク内の温度を180度に固定し,海水に接する船体側面の温度は20度に拘束した.また,空気に接触する船側外板の温度は25度にした.アスファルトタンク内は180度と非常に高温であるが,この温度は船体にはあまり伝わらず,急速に温度が減少することが数値計算により確認できた.得られた温度分布を熱荷重として,応力解析を行った.その結果,アスファルトタンク近傍のコーナー部では応力集中が発生していることが判明した. 溶融状態のアスファルトの温度変化を正確に理解するためには,相変化を伴う熱移動問題を解析する必要がある.そのための数値シュミレーション方法を検討した.アスファルトタンク内の温度分布を求め,最適な熱源の配置を検討した.その結果,数カ所に小さな容量のの熱源を置く方法が適していることが判明した
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