配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
本研究は,サツマイモ近縁野生種における胞子体型自家不和合性の分子遺伝学的機構を明らかにすることを目的としている.この自家不和合性は,1遺伝子座の複対立遺伝子(S遺伝子)によって支配されており,雌蕊と花粉との相互作用の結果,自己花粉の発芽阻害を引き起こし自家受粉が抑制される遺伝的機構である.本研究では,S遺伝子座周辺の連鎖地図を作成するため,S遺伝子型分離集団のRFLP分析によりS遺伝子座に連鎖するDNAマーカーの同定とマッピングを行なった.その結果,6種類のDNAマーカーはS遺伝子座から1cM以内に位置すること,およびこのうちのひとつ(AAM-68)はS遺伝子座と0cMで最も緊密に連鎖していることが明らかになり,S遺伝子座近辺の精密な遺伝子地図を構築した.この遺伝子地図に基づいてS遺伝子をクローニングするため,約4万個のクローンから成るBACライブラリーを作成した.このライブラリーから,S遺伝子座周辺の4種類のDNAマーカーをプローブとしてBACクローンのスクリーニングを行ない,各プローブに対して強いシグナルを示す3〜10個の独立クローンを得た.これらのクローンの解析から,S遺伝子座両末端の範囲を0.1cM以内に限定することができ,この領域をカバーする約100kbのBACクローンを得た.またラムダファージのゲノムライブラリーも作成し、S遺伝子座近辺のクローンを得た。本研究によって,S遺伝子座とその周辺領域のゲノム構造を明らかにするための実験的基盤が確立され,今後塩基配列の解析によってS遺伝子の同定へと研究を発展させる予定である.また本研究では,自然界で見出された自家和合性突然変異体と放射線照射により誘発した自家和合性突然変異体について遺伝学的解析を行なった.その結果,自然変異体ではS遺伝子座の変異遺伝子がドミナントネガティブ作用によって自家和合性を示すこと,,放射線誘発変異体はS遺伝子座を中心とする染色体領域の欠失によって自家和合性に変異したことを明らかにした.さらに,S遺伝子座に連鎖する柱頭蛋白質遺伝子(SSP)のプロモーター領域をクローニングし,GUS遺伝子を用いた形質転換体における発現解析から,雌蕊特異的発現制御部位を明らかにした.
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