配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
1.凍結・低温耐性の冬コムギ品種'Mironovska808(M808)'から以下の6種の低温応答遺伝子を得て、その構造と機能を解析した。1)Wcor14,Wcs19:Cor遺伝子ファミリーに属する遺伝子。Wcor14はオオムギの低温・光応答遺伝子Bcor14に相同。Wcs19はN末コード部分がWcor14と相同で、プロモーターを含むゲノミッククローンを得た。WCOR14とWCS19はともにN末端51残基の葉緑体輸送シグナルを持っていた。2)Wdhn13:dehydrinファミリーに属する遺伝子。3)Wrab17:オオムギのGA_3応答性ES2Aに相同な遺伝子。4)Wrab19:グループ3Leaファミリーに属する遺伝子。5)Wltr10:穀類に特異的なLtrファミリーに属する遺伝子。6)Waox1,Waox2:シアン耐性鎖酸化酵素AOXをコードする遺伝子。 2.各遺伝子についてゲノミックサザン分析でコピー数を推定し、染色体置換系を用いて座乗染色体を特定した。Waox1,Waox2は互いに非同祖な遺伝子であった。 3.M808と春コムギ品種'Chinese Spring'を用いて、凍結耐性(-20℃)を行い、低温順化による凍結耐性の増強と品種間差を明らかにした。 4.各遺伝子の発現をノーザン分析で解析した。Wcor14,Wca19,Wltr10の発現は低温特異的であった。Wrab17,Wrab19は低温とともにABA/GA_3による発現調節を受けた。Waox1,Waox2はともに低温で転写産物量が増加した。Waox2ではKCNによる転写産物量の増加が見られた。各遺伝子の発現レベルと上記2品種の凍結耐性レベルに正の相関が認められた。 5.GFP融合遺伝子の一過性発現を利用して、WCOR14,WCS19が葉緑体に、WAOX1,WAOX2がミトコンドリアに輸送されることを明らかにした。 6.Waox1,Waox2についてPCRによりゲノミッククローンを単離し、エキソン・イントロン構造を明らかにした。
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