研究概要 |
スイカの土壌適応性の存在と品種による反応の差異は熊沢・秋谷(1956)によって記述されている。しかし、その後土壌適応性が研究されることはなく、存在する理由もしられていない。そこで、土壌要因のうちの酸素濃度を取り上げ、スイカ幼植物の生長に及ぼす影響を調査した。また、粘質土と砂質土で栽培試験を行い、果実品質の調査を行った。 1.養液栽培したスイカの生長に及ぼす溶存酸素濃度の影響 酸素濃度・温度条件を調節できる養液栽培装置を設計・試作した。養液温度を20,25,30℃の3段階に設定した。各温度の試験は異なる時期に行った。各温度試験において酸素濃度を、大気の酸素で飽和した濃度を(DO100%)を基準として、DO50%,DO150%の3段階に設定した。実際の酸素濃度は、それぞれ約DO98%,DO68%,DO150%であった。昼/夜の気温は25/20℃で、自然光で栽培した。本葉2〜3枚になるまで、同一条件で育て、20℃・1週間の順化期間を経て処理を開始し、2週間後に終了した。品種は4品種を用いた。 酸素濃度に対する幼植物の生長反応を葉数、茎長、地上部・地下部の新鮮重・乾物重により調査した。20℃ではDO100%を基準にして述べると、DO50%において低下し、DO150%においてわずかに低下した。25℃では、DO50%とDO150%における低下ははっきり生じた。30℃では酸素濃度処理の影響は不明瞭となった。 2.粘質土と砂質土で4品種のスイカを栽培したが、果肉硬度には差は認められなかった。
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