配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
様々な分野でコンピュータによる視覚化技術の開発が試みられているが,シミュレーションを利用した視覚化が実際の昆虫行動解析に適用され効果をあげている例を見つけることはむずかしい。また,カイコの営繭行動にみられる一定の行動パターンがどのような状況下で崩れるのか,その崩れによってカイコにどのような変化が生ずるのか興味が持たれていた。そこで,この研究では,最初に吐糸された繭の一部を切断する等の異常環境を作り,その詳細な行動パターンの調査を行った。次に,実験結果を基に行動パターンの統計モデルの作成を行い,モデルを用いたカイコの行動シミュレーションについて検討を加えた。その上で,パーソナルコンピュータを利用した三次元可視化法およびそのプログラムの開発を行った。その結果,次のような成果を得ることができた。 1.通常環境下でのカイコの吐糸行動において,蚕体の固定時間と移動時間に注目し解析を行い,これらの分布特性を明らかにした。 2.蚕体固定位置の時間的変化と固定方向の変化データを詳細に解析し,吐糸営繭中の移動周期性および移動時間と方向角との関係等に関する知見を得た。これを基に通常環境下での基本モデルを作成することができた。 3.さらに,異常環境下,特に営繭中に繭一部を切断した時の蚕の繭修復行動データから,吐糸営繭段階,切断個所の大きさ,修復時間との関係を解析し,異常環境下での吐糸行動の基本モデル作成に対する知見を得ることができた。 3.上記1,2,3の結果をもとに営繭行動シミュレーションの基本アルゴリズムを構築することができた。 4.パーソナルコンピュータ上の基本OSであるウインドウズ95/98/NT/2000上で簡単に利用できる「カイコ行動視覚化システム」を開発することができた。
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