研究課題/領域番号 |
10460030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小崎 隆 京都大学, 農学研究科, 教授 (00144345)
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研究分担者 |
坂本 一憲 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (10225807)
犬伏 和之 千葉大学, 園芸学部, 教授 (00168428)
波多野 隆介 北海道大学, 農学部, 教授 (40156344)
矢内 純太 京都大学, 農学研究科, 助手 (00273491)
長縄 貴彦 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (80183531)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1999年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1998年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | ペドメトリックス / 環境負荷量 / 窒素 / 土壌特性値 / 亜酸化窒素(N_2O) / 空間依存性 / 圃場内変動 / 亜酸化窒素 / 硝酸能窒素 |
研究概要 |
農地からの環境窒素負荷量の予測は農業面あるいは環境面からも急務であるが、空間的および時間的変異が一般に大きいことから信頼性の高い予測に至っていない。本研究では、環境窒素負荷量として亜酸化窒素に注目し、空間的・時間的変異を考慮した4次元的評価を行うことを目的とした。北海道に設定した1haの調査圃場において、1999年8月にガスおよび土壌試料を多点数(100点)採取し、亜酸化窒素フラックスとともに土壌の物理・化学・生物的特性値を評価した上でそれらの空間変動解析を行った結果、フラックスは圃場内で大きなばらつきを示すものの、依存距離約50mの空間依存性を持ち、圃場の相対的に低い場所で高い傾向を示した。従って、1地点だけのデータに基づく発生量予測は誤差が大きく、約50m間隔で測定を行った上で発生量の面的評価を行うほうが合理的であると考えられた。また、フラックスは土壌の有機物因子得点が高いほど多い傾向があり、発生量の抑制のためには土壌有機物を適切に管理することが有効であると思われた。一方、1995年から1999年の5年間にわたり圃場の1地点で亜酸化窒素フラックスを経時的に測定した結果、施肥直後の春先よりも夏から秋の方がフラックスは高くなる傾向がいずれの年も見られ、時間的変異も大きかった。その発生機構としては、全放出量の20%程度を占める施肥直後から6月下旬までの期間は主に硝化過程により、全放出量の80%以上を占める7月から10月の期間は、硝酸に対する粒団のソースシンク効果に基づいた溶脱硝酸の一部の粒団内への拡散とそれに伴う粒団内の嫌気的部位における脱窒過程によると考えられた。最後に、以上の結果に基づいた団粒内還元領域変動モデルにより亜酸化窒素発生量の予測を試みたところ、亜酸化窒素フラックスの対数値は団粒内還元領域と高い正の相関を示し、モデルの有効性が示された。
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