研究課題/領域番号 |
10460031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
鈴木 創三 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30137898)
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研究分担者 |
田中 治夫 東京農工大学, 農学部, 助手 (20236615)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 根圏 / カリウム / バーミキュライト / 粘土鉱物 / 根分泌物 / 有機酸 / カリウムイオン |
研究概要 |
1.目的:草地の根圏土壌中の粘土固定態カリウムは非根圏土壌中のそれよりも遊離しやすい関係を造成草地土壌の粘土鉱物組成を検討する中で見い出し、これは牧草由来の有機酸による作用であることを推察した。このような牧草根圏土壌生態系における粘土固定態カリウムが根から分泌される有機酸によってどのような影響を受けるかを明らかにするために、(1)根から分泌される有機酸をHPLCにより同定・定量し、(2)同定された有機酸と層間にKイオンを固定させたバーミキュライト(K-Vt)とを反応させて、K-Vtの底面間隔の変化をX線回折により測定した。 2.結果:(1)牧草根を作用させたK-Vtの底面間隔は処理前の1.0nmから処理後には1.4nmに拡大し、その作用は牧草根の量の増加にともなって強まった。(2)牧草の根先端部の磨砕物浸出液および根先端部表面の浸出液中には既知および未知の有機酸が含まれており、既知のものと同定出来たのはマレイン酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸およびプロピオン酸であった。(3)これらの有機酸の分泌量はKイオンの有無や明暗条件によって異なり、また分泌する根の部位も有機酸の種類によって異なった。(4)同定された既知の有機酸と作用させたK-Vtの底面間隔は処理前の1.0nmから処理後には1.3nmに増加し、その層間から溶出するカリウム量は反応する有機酸溶液のpHが4以上ではほとんど溶出しなかったが、4以下からはその値の低下にともなって指数関数的に増加した。 3.結論:牧草根分泌物中には有機酸が含まれ、この有機酸にはバーミキュライトの層間に固定態として保持されている難利用性のカリウムを土壌溶液中に遊離する作用があることを明らかにした。
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