配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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研究概要 |
小胞体は真核生物細胞における分泌,脂質合成などの研究では頻繁に対象とされ,その機能が詳細に調べられているが,その形態と増幅の機構は意外に知られていない。知申請者らは炭化水素鎖を酸化する酵母Candida maltosaの酵母小胞体膜酵素であるチトクロームP450Alk1をコードする遺伝子C-ALK1をSaccharomyces cerevisiaeで大量生産した場合に,あるいはまた,小胞体で蓄積する変異型分泌蛋白質大量に増幅生産した場合に,独特な形態をした小胞体膜の増幅があることを知り,そのような小胞体の形成の機構を解明すれば,上記のような理解を得られるのではないかという期待を持ち,研究を行ったものである。また、小胞体のような膜構造化の消長の研究には、膜脂質の代謝との関係を欠かすことができない。本研究は、そこで、酵母の膜脂質代謝に〓わる解析も行った。 本研究の結果、目標とするところを全て明らかにすることができたわけではないが、いくつかの成果を得ることができた。1)膜脂質の合成という観点から、小胞体膜蛋白質の増幅による小胞体の増幅の過程で、必ずしも新規の膜リン脂質の合成が促進されているのではない。2)C-ALK1の増幅による小胞体の増幅に小胞体キナーゼIRE1が必要であるかないかは、酵母菌株の遺伝的背景による。3)小胞体に蓄積する変異型分泌蛋白質の分解は必ずしも全てがプロテアソームに依存しているわけではなく、他に分解系があると思われる。4)酵母に生育に必要な量のリン脂質を取り込ませ、その影響を調べる系を作製した。これによって脂質代謝に関する遺伝子変異株を単離し、脂質代謝に分子遺伝学的な解析を加えることができるようになった。
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