研究課題/領域番号 |
10460038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 研三 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80164292)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
1999年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1998年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | ジャスモン酸 / 形質転換植物細胞 / プロモーター / シス配列 / オルチニン脱炭酸酵素 / ODC / トランス因子 / オルニチン脱炭酸酵素 / タバコ培養細胞 / サリチル酸 |
研究概要 |
タバコ培養細胞のオルニチン脱炭酸酵素(ODC))遺伝子は、タンパク質合成阻害下でもメチルジャスモン酸(MeJA)による転写活性化を受ける。タバコのイントロンを持たないODC核遺伝子を単離し、そのプロモーターとGUSとの融合遺伝子(ODC:GUS)が形質転換細胞で内在性ODC遺伝子と同様にMeJAによる迅逮な誘導を受けることを明らかにした。ODC:GUSはサリチル酸(SA)による誘導を受けないが、MeJA誘導レベルは低濃度のSAやアスピリンによって約2倍に増加し、傷害葉でのMeJA誘導性遺伝子発現と異なりSAによる抑制系が作動していない。種々の欠失変異の解析から、ODCプロモーターの-1457から-1351までと-943から-746までの配列がMeJAによる誘導に重要であることが分かった。これらの領域には、二次応答性遺伝子のMeJA応答性シス配列と推定されるG-boxなどの配列は含まれず、異なる誘導機構が働いていると推定された。細胞の核抽出液を用いたゲルシフトアッセイを行い、ODCプロモーターのMeJA応答に関わる107bpと198bpの配列に特異的な結合活性を検出して、その活性は細胞のMeJA処理に関わらず存在することを見出した。培養細胞は常に若干の傷害ストレス状態にあり、ODC遺伝子のMeJA誘導性発現に正に作用する因子を過剰発現すると、MeJA刺激のない状態でも発現レベルが増加する可能性がある。ODCプロモーターにビアラフォス耐性遺伝子を繋ぎ、ODC:GUSと共にタバコ培養細胞に導入すると、MeJA依存的にビアラフォス耐性を獲得してGUS活性を発現した。この形質転換細胞に更にT-DNA末端にタンデムエンハンサー配列を持つアグロバクテリウムを感染させ、ビアラフォス耐性カルスを選別した。更に、GUS活性を発現するものを選抜し、MeJAなしにODCプロモーター下流のビアラフォス耐性とGUSレポーターの双方が発現している約10ラインを得た。この2つのラインでは、ODCを含む2種のMeJA-次応答性mRNAが非形質転換細胞に比べて顕著に高くなっていたが、MeJA二次応答性mRNAに変化はなかった。
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