配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
発病した植物体内には毒性物質,防御物質,ストレス物質,色素化合物など各々の病気に特徴的な成分が生成すると考えられる。そのような特徴的な低分子化合物成分の分析を植物病害診断へ応用することを目的とした。 まず,疾病などストレス状態にある植物のストレス源を特定するためのマーカー成分を探索した。傷害あるいは病原の感染に対応して植物体内に特異的に生合成される二次代謝物質の変動をジャガイモ,サツマイモ,ソライロアサガオ(サツマイモのモデル植物)を材料に分析し,種々ストレス条件に対応する生理変化に由来すると考えられる特徴的な化合物を見いだした。 次に,病原を特定する指標として有用であると考えられる病原菌由来の植物毒素について検討した。Alternaria属およびBipolaris属病原菌が生産する毒素のうち,ナシ黒斑病菌が生産するAK-toxin,リンゴ斑点落葉病菌が生産するAM-toxin,Bipolaris葉枯病菌が生産する植物毒素,サツマイモつる割れ病菌が生産する植物毒素について分析のための標準化合物の取得および化学合成に成功した。 しかし今回は以上の植物二次代謝成分あるいは植物毒素いずれについても,種々ストレス条件を変化させた場合の植物体中含量変動に関する十分なデータを蓄積するには至らなかった。今後さらに種々の生育条件下におけるマーカー化合物の変動をデータベース化し,各種ストレス条件との関連を詳細に検討していく必要がある。
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