研究課題/領域番号 |
10460068
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
水永 博己 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (20291552)
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研究分担者 |
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 教授 (60126026)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 人工林 / 林冠構造 / シードリングバンク / 天然林型林分 / 更新材料 / 更新稚樹 |
研究概要 |
わが国の森林面積の約40%は人工林であり、残存する天然林が孤立分断化される場合が生じている。このような地域では天然林周辺の人工林を天然林型林分へ復元することも生態的森林管理手段として考えられて良いだろう。しかし、こうした天然林型林分への誘導技術に関する情報は殆どない。本研究では次の二つにしぼって研究を行った。天然林に誘導するための更新材料が人工林内でどのような状態にあるのかをシードリングバンクを対象として評価した。またこうした更新材料の定着や成長を促進するための林冠管理技術について基礎的研究を行った。 1:人工林内のシードリングバンクの実態 人工林内の稚樹の分布実態について種多様性と分布密度の両面から評価した。林床の木本植物の種の多様性は上木の樹齢と強い相関があり、短いサイクルでの伐採では種の消失の危険性があることを示した。また隣接する森林タイプや植栽前の森林タイプによる種多様性の違いは見られなかった。照葉樹天然林と隣接する若齢人工林内の高木種の稚樹の種組成は隣接する天然林と高い類似性を示したが、照葉樹林を代表するイスノキなどの分布密度は隣接林分に比較して低く、こうした種について更新促進の必要性が示唆された。 2:人工林の林冠構造と稚樹の生理生態的反応 林床稚樹の光合成速度はサンフレックに対して遅れを伴って応答するが、こうした応答の迎れはサンフレックが生じる直前の光前歴に大きく依存した。 スギ樹冠内の着葉空間分布を個体サイズ・幹軸からの距離・樹冠表面からの高低差の関数で現した。この着葉分布パターンと個体の三次元位置から林床の光量子束密度の分布を予測するツールを開発し、このツールを基に列状間伐が林床稚樹の光合成速度に及ぼす影響をシミュレートした。列状ギャップ幅はギャップ内及び周辺の光合成環境に大きな影響を及ぼすが、影響の空間的な広がりは小さかった。
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