研究課題/領域番号 |
10460080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 勝義 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50005617)
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研究分担者 |
高橋 計介 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80240662)
松谷 武成 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90134030)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | マガキ / Crassostrea gigas / 血球 / 非自己識別 / 貪食 / 生体防御 / 活性酸素 / オプソニン / インテグリン / 異物認識 / 細胞接着 / RGD配列 / フィブロネクチン / β-1,3-グルカン / レクチン |
研究概要 |
海産二枚貝マガキの生体防御機構における血球の機能、特に異物認識と貪食の機能を明らかにするために、血球密度の年変動、血球における亜集団の確認と分離、種々の異物に対する貪食能の発現、そして異物貪食時に生成される活性酸素について解析した。光学顕微鏡を用いた観察から、マガキの血球には2つの亜集団、顆粒球と無顆粒球が存在することが明らかとなった。顆粒球は多くの細胞質顆粒を有していた。血球密度は、季節により大きく変動した。顆粒球と無顆粒球の存在比も時期によって変化したが、常に無顆粒球の比率が高く、全血球の70%以上を占めていた。これら2つの血球亜集団は、Percollを用いた密度勾配遠心によって分離することができた。3種類の細菌、酵母、固定赤血球、そしてラテックスビーズの併せて6種類の異物に対する顆粒球と無顆粒球の貪食能を比較した結果、細菌と酵母に対しては顆粒球の貪食能の方が無顆粒球に比べてはるかに高く、逆に赤血球とビーズは無顆粒球の方が多く貪食した。顆粒球の貪食は、同一の異物であっても、ホルマリン固定やオートクレーブで処理をすることにより、著しく低下した。無顆粒球ではこのような反応は認められなかった。また、マガキ血球の異物に対する接着は、血リンパ上清やフィブロネクチンの存在下で有意に高くなった。血球をホルボールエステルで刺激すると、シアン耐性の酸素消費が急激に増加した。この反応は、哺乳類のNADPH酸化酵素の活性阻害剤を添加することにより、ほぼ完全に抑制された。さらに、ホルボールエステル刺激を受けた時やザイモサンを貪食した時に、マガキ血球はスーパーオキシドを生成した。そして、このスーパーオキシドの生成は、顆粒球のみに認められた。しかし、その生成量はヒト好中球の7%程度であり、細胞内殺菌を担うには不十分と考えられた。だが同時に、ペルオキシダーゼ反応による次亜塩素酸の産生も認められた。
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