研究課題/領域番号 |
10460085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
青木 宙 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00051805)
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研究分担者 |
廣野 育生 東京水産大学, 水産学部, 助手 (00270926)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1999年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | 病原性遺伝子 / Pasteurella piscicida / Enterococcus seriolicida / Edwardsiella tarda / Vibrio anguillarum / クローニング / ゲノム解析 / Pasteurellapiscicida / LPS合成遺伝子群 / マクロファージ耐性遺伝子 |
研究概要 |
本研究において、Pasteurella piscicida、Enterococcus seriolicida、Edwardsiella tarda、Vibrio anguillarumおよびV.parahaemolyticusの病原性関連遺伝子の解析を行った。 P.piscicidaのゲノムライブラリーをプラスミドpUC19およびコスミドベクターSuperCoslで作成し、約900クローンの両末端側から塩基配列を決定した。決定した塩基配列をDNAデータバンクに登録されている配列と比較したところ1,483個の遺伝子と相同性を示した。感染・発症等の病原性に関与すると考えられる遺伝子も多数見られ、毒素関連の遺伝子として13個、細胞表面の莢膜およびリポ多糖合成に関与する遺伝子が6個検出された。これらの遺伝子の中には、本菌の培養性状と一致しないものがあり、試験管内と宿主生体内で発現している遺伝子に違いがあることが示唆された。 Enterococcus seriolicidaの病原性株であるKG株に特異的に反応する抗体を用いて5種類の遺伝子(食細胞抵抗性Mタンパク質、プロテアーゼ、葉酸合成酵素、トリガーファクガー、GlcVAc-6リン酸脱アセチル酵素)をクローン化し、それら遺伝子の構造解析を行った。これら5種類の遺伝子は病原性のKG-株に特異的に発現し、病原性の弱いKG+株において発現は認められなかった。これらの結果は病原性との関連を示唆した。特に、食細胞抵抗性のMタンパク質の存在は、本菌の病原性株が食細胞抵抗性であることと強い関係が示唆された。 Edwardsiella tardaの溶血素の発現・活性化には、溶血素遺伝子のすぐ上流に存在する遺伝子の発現が必須であることが、単一遺伝子破壊クローンを作出することにより明かとなった。さらに、溶血素遺伝子破壊クローンの病原性は元株より低くなることが、ヒラメに対する感染実験により明かとなった。 Vibrio anguillarumおよびV.parahaemolyticusより甲殻類の外骨格を形成するキチンの分解酵素キチナーゼ遺伝子をクローン化した。これらのキチナーゼ遺伝子は互いに相同な構造を有しており、同一起源より進化してきた遺伝子であると考えられた。
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