配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
代表者および分担者の所属機関に現有している車輪性能試験装置と土の変位オンライン計測システムにより剛性車輪走行に伴う地盤の繰返し転圧現象を計測,解析するとともに,オンライン計測した変位から算出されるひずみ増分データを拡張下負荷面モデルに基づく土の弾塑性構成式に代入して地盤内応力を算定し得る応力算定プログラムの開発により地盤内応力の予測を可能にした.さらに,拡張下負荷面モデルに基づく有限変形・弾塑性有限要素解析プログラムを開発して,繰返し負荷を受ける地盤の変形挙動の予測特性について評価を行った.本研究で得られた知見は以下の通りである. (1)車輪走行に伴い土粒子は楕円状の変位軌跡を描く.また,その変位軌跡はすべり率が大きくなるほど車輪後方へ変移する. (2)変位軌跡の大きさは走行回数とともに指数関数的に減少する.その減少割合はすべり率が大きいほど顕著である. (3)地盤の圧縮量はすべり率に関係なく表層付近が最も大きく深度約60mmまで線形的に減少し,その後,急減する.また,走行回数に対して圧縮増分量は指数関数的に減少する. (4)すべり率が大きい場合には,せん断ひずみの振幅量が大きくなり,地盤が著しく圧縮される.つまり,地盤の圧縮特性には,せん断変形に伴うダイレイタンシーが著しく影響する. (5)剛性車輪を砂地盤上で複数回走行させる場合には,5〜10%付近のすべり率が土壌の踏圧が少なく高いけん引効率を発揮し得る. (6)開発した応力算定プログラムにより予測した車輪の接近,通過時の地盤内応力の変化特性は,実測値と定性的に一致する. (7)拡張下負荷面モデルによれば正規降伏面と下負荷面の相似中心が塑性負荷とともに移動して険荷時にも塑性変形を生じ得るので,平板の荷重-沈下曲線はヒステリシスループを呈しつつシェイクダウンする.また,本現象は定性的に実測値と一致する.
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