研究課題/領域番号 |
10460133
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
|
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
椛 秀人 高知医科大学, 医学部, 教授 (50136371)
|
研究分担者 |
谷口 睦男 高知医科大学, 医学部, 助手 (10304677)
奥谷 文乃 高知医科大学, 医学部, 助手 (10194490)
高橋 聖一 高知医科大学, 医学部, 助教授 (40271093)
森 裕司 (森 祐司) 東京大学, 農学部, 教授 (40157871)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
|
キーワード | フェロモン記憶 / 副嗅球 / 初代培養 / スライス / グルタミン酸受容体 / ノルアドレナリン / 交尾刺激 / グリア / フェロモン / 記憶 / 樹状突起間相反性シナプス / イオンチャネル型グルタミン酸受容体 / 代謝型グルタミン酸受容体 / 一酸化窒素合成酵素mRNA / グリア細胞 / ミクログリア / グルタミン合成酵素 |
研究概要 |
雌マウスは、交尾刺激を引き金として交尾相手の雄の尿中フェロモンに対する記憶を形成し、妊娠に対する保障を獲得している。この記憶を支えるシナプスの可塑的変化は副嗅球の僧帽細胞から顆粒細胞への興奮性シナプスに起こる。我々はまた、新生仔ラットにおける匂い学習も優れたモデル系であると考え、そのメカニズムを解析してきた。本研究の目的は、これまでの成果を基盤として、フェロモン記憶形成機構を解明することであった。得られた成績は以下の通りである. 1.フェロモン記憶形成の臨界期に副嗅球の顆粒細胞に神経型一酸化窒素合成酵素mRNAの発現が有意に増大することを認めた。 2.フェロモン記憶に関わる副嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞との樹状突起間シナプス伝達をスライスパッチクランプ法により解析し、顆粒細胞を介した僧帽細胞のフィードバック抑制に顆粒細胞のN-methyl-Daspartate(NMDA)受容体が重要な役割を演じていることを明らかにした。一方、代謝型グルタミン酸受容体mGluR2の活性化は逆にこのフィードバック抑制を抑制した。 3.in vivoの電気生理学的解析により、人工的な膣頸管刺激が僧帽細胞の顆粒細胞によるフィードバック抑制を抑制し、僧帽細胞を興奮させることを明らかにした。 4.副嗅球のグリア細胞がフェロモンの記憶形成に重要であることを示した。また、ミクログリアに特異的に発現しているcalcium binding adaptor protein(Iba-1)およびグルタミン合成酵素の副嗅球における発現パターンを明らかにした。 5.副嗅球の初代培養系を用いて、顆粒細胞から僧帽細胞へのシナプス伝達に対するノルアドレナリンの修飾効果を認めた。 6.主嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞の間のシナプス伝達に対するdehydroepiandrosteroneとオキシトシンの修飾効果を明らかにした。
|