研究課題/領域番号 |
10460138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻本 元 (1999) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
亘 敏広 (1998) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50220950)
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研究分担者 |
佐藤 均 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70183829)
増田 健一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40313077)
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | ネコ / ゲノム解析 / FISH法 / がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 / 免疫グロブリン遺伝子 / T細胞レセプター遺伝子 / リンパ腫 / 癌抑制遺伝子 / 免疫グログリン遺伝子 / in situ ハイブリダイゼーション / 腫瘍 / p53 |
研究概要 |
ネコゲノム解析の基盤を固めるための本研究においては、fluorescence in situ hybridization(FISH)法を多用することによって腫瘍化と密接に関連する遺伝子に関するゲノム解析を行い、腫瘍細胞における細胞遺伝子の変化を見出すことによって、腫瘍化の分子機構に関する新しい知見を得たいと考えた。 ネコのがん遺伝子に関しては、FISH法によってmyc遺伝子がネコ染色体F2q212に存在することが明らかとなり、またネコのリンパ腫の発生に関与しているfit-1領域がネコB2染色体上のmyb遺伝子と密接に関連する座位に存在することが明らかとなった。ネコのがん抑制遺伝子およびcyclin dependent kinase(Cdk)inhibitor遺伝子に関しては、p53遺伝子がネコ染色体E1p14-p13に、p15MTS2遺伝子およびp16MTS1遺伝子がD4q12に、p21WAF1遺伝子がB2に、またp27kip1遺伝子がB4に存在することが明らかとなった。一方、ネコの免疫グロブリン遺伝子およびT細胞レセプター遺伝子については、Ig heavy chain遺伝子がネコ染色体B3q26に、Ig light(lambda)chain遺伝子がD3p12-p11に、TCRγchain遺伝子がA2q12-13に存在することが明らかとなった。以上のような各遺伝子の染色体マッピングの結果、ネコのリンパ腫、白血病の発症において重要と考えられる多くの遺伝子のネコ染色体上の詳細な座位を同定することができ、これら腫瘍発生におけるゲノム解析の基盤を確立することができた。 以上のような結果を基にしてネコリンパ腫細胞について染色体解析を行ったところ、ネコのTリンパ腫細胞株である3201BにおいてF2染色体とB3染色体との間に相互転座が存在することが見出され、さらにFISH法により、F2染色体長腕上のmyc遺伝子とB3染色体長腕上のIg Heavy chain遺伝子が同一染色体近傍に存在することが示された。 本研究は腫瘍発生の分子機構を細胞遺伝学的側面からアプローチしたものであり、これらの成果は今後の腫瘍研究の進展の基盤を提供するものと考えられる。
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