研究課題/領域番号 |
10460139
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土井 邦雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70155612)
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研究分担者 |
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
小野 憲一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50111480)
唐木 英明 (唐木 秀明) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)
上塚 浩司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60251419)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 環境化学物質 / 紫外線 / 皮膚障害 / アポトーシス / ヘアレス犬 / ヘアレスラット / WBN / ILA-Ht rat / T-2 toxin / basal cell apoptosis / IQI / Jic mouse / picryl chloride / contact dermatitis / UV irradiation / Haieless dog / Skin response / Environmental Chemical / Hairless dog / Ultraviolet / Environmental chemicals / H_2O_2 / Maneb |
研究概要 |
ヘアレス犬(LHD)とヘアレスラット(HtR)を用いて以下のような皮膚障害実験モデルを作製した。 紫外線照射に対するLHDの背部皮膚の反応を観察したところ、ヒトと同様なerythemaの発現ならびにsunburnおよびsuntan反応の惹起と推移が認められた。さらに、紫外線照射LHD背部皮膚では表皮基底細胞のアポトーシスによる細胞死が惹起されること、このアポトーシスの惹起にp53およびp21遺伝子の発現が関与していることを明らかにした。次いで、LHDの背部皮膚に主として農薬を暴露し、皮膚傷害の性状を検索するとともに、紫外線照射との複合作用を検索した結果、皮膚傷害は紫外線照射によって増強されることが示された。 上記のLHDは、紫外線照射に対する皮膚反応がヒトのそれに良く類似しているところから、本研究の展開上極めて有用な試験系であると考えられたが、実験室内でより効率よく利用できる試験系を求めて、HtRの活用を計った。まず、大気汚染物質の一種で酸化的ストレス物質でもあるホルムアルデヒドあるいは過酸化水素暴露による皮膚傷害の性状とその発現機序を明らかにした。次いで、LHDと同様農薬に暴露し、さらに紫外線照射による修飾作用について検討した。その結果、ManebについてはLHDとHtRとで皮膚傷害の主座する部位が異なり、また、前者では紫外線照射により病変が増強したが、後者では影響を受けず、皮膚反応性に種差の存在が示された。 さらに、南米や東南アジアで、大気中のマイコトキシンに暴露されることによって誘発されると考えられている家畜の皮膚傷害の発現機序の一部を解明すべく、T-2トキシン塗布背部皮膚を検索し、表皮細胞におけるアポトーシス細胞死と真皮における毛細血管内皮傷害の存在を指摘した。 次いで、紫外線照射に対する皮膚障害に関する試験系としての有用性に関する基礎的検討を行い、suntan反応を除けばLHDとほぼ同様の皮膚傷害を惹起されることが示された。 本研究によって、環境化学物質と紫外線による皮膚障害の性状と発現機序の一部を明らかにできた。
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