研究課題/領域番号 |
10470005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
藤本 和 京都大学, 医学研究科, 講師 (50159125)
溝口 明 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90181916)
川口 三郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (70024635)
野田 享 京都大学, 医学研究科, 助手 (50156204)
早柏 琢哉 京都大学, 医学研究科, 助手 (00273459)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | 神経再生 / 脈絡叢 / 上衣細胞 / 移植 / 脊髄 / 共培養 / 後根神経節ニューロン / 軸索伸長 |
研究概要 |
中枢神経の再生のために、いろいろな種類の細胞或いは組織の移植が行われて来た。本研究では脈絡叢を移植に用いて、脈絡叢上衣細胞が中枢神経の再生のための移植細胞として有効である事を示した。脈絡叢としては、成獣ラットの第四脳室脈絡叢を用い、採取後、細切して、同じ系統のラットの脊髄(C2レベル)の後索に移植した。電子顕微鏡および免疫組織化学で、無数の再生軸索が移植片内に伸びること、再生軸索は脈絡叢上衣細胞と密に接して、細胞の表面に沿って多くの再生軸索が伸びることを示した。また、再生軸索にはCGRP線維が含まれていた。坐骨神経よりHRPを注入して経神経節的に再生軸索をラベルすると、後索の上行線維からの再生軸索が移植片内に伸びていることが明らかとなった。この状態は移植後10ヶ月でも変わりなかった。電気生理学的に、損傷部位の5mm頭側に於いて、対照群とは違ってはっきりした誘発電位が記録された。この結果から、脈絡叢上衣細胞は移植細胞として有望であると考えられた。 一方、培養系では、生後1〜10日のマウス脈絡叢を3週間培養して、脈絡叢上衣細胞の単層培養系を作った。それに胎生14日の脊髄後根神経節のニューロンを共培養した。培養後4.5時間でニューロンからの突起の伸長を調べた。比較として、ラミニンを基質としての培養、およびアストロサイト単層培養との共培養を行った。その結果、脈絡叢上衣細胞との共培養で、突起が長いこと(突起の全長として、ラミニン;285±14μm、アストロサイト上;395±15μm、脈絡叢上衣細胞上;565±12μm)、および枝分かれの頻度が多いことが明らかとなった。培養系に於いても脈絡叢上衣細胞はニューロンの突起伸長促進作用を持つことを示している。
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