研究課題/領域番号 |
10470017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
粟生 修司 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40150908)
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研究分担者 |
武 幸子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80253425)
高木 厚司 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30243934)
堀 哲郎 九州大学, 名誉教授 (00022814)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 視床下部外側野 / 室傍核 / 視床下部腹内側核 / カルシウム代謝 / 遺伝的肥満動物 / 低カルシウム血症 / 胃 / 副甲状腺 / 回避学習 / 空間学習 / オレキシン / レプチン / コレシストキニン / OLETFラット / 中枢性カルシウム調節機構 / ストレス性低カルシウム血症 / 視床下部 / ノルアドレナリン / インターロイキン-1β / 血小板活性化因子 |
研究概要 |
視床下部外側野(LHA)および腹内側核(VMH)に迷走神経胃枝を介するカルシウム低下機構が存在し、特に後者がストレス性低カルシウム血症を引き起こす。室傍核には迷走神経副甲状腺枝を介するカルシウム低下機構が存在し、VMHと拮抗的な関係がある。この視床下部カルシウム代謝調節機構の生理学的意義を明らかにするため、学習記憶などの高次機能との関連を調べた。また性分化とカルシウム代謝調節機構および学習記憶機構との関係も検討した。その結果、以下の点が明らかになった。 1)LHA電気刺激およびLHAが産生する摂食促進物質オレキシンの側脳室投与は不安情動には影響せずに、回避学習の促進、侵害受容の抑制、空間学習および長期増強の抑制を引き起こした。 2)ストレス負荷で細胞死が起こる海馬にブドウ糖を微量投与すると、空間学習が促進した。この効果はaFGF受容体(FGFR1)抗体の前処置で減弱する傾向があり、aFGFがブドウ糖依存性学習促進機構に関与することを見出した。また、オライド・ラクトン系摂食抑制物質である2-buten-4-olideもaFGFを介して空間学習を促進した。 3)カルシウム低下因子であるコレシストキニンのCCK-A受容体欠損動物であるOLETFラットならびにレプチン受容体異常があり骨代謝異常を示すZuckerラットおよびdb/dbマウスは空間学習及び海馬長期増強の障害があり、後者ではさらにカルモジュリンキナーぜII活性の低下およびNMDA受容体のMg依存性消失によるカルシウム信号系の異常を示した。 4)拘束ストレスは脳内インターロイキン1β(IL-1β)mRNAの発現を促し、IL-1βはノルアドレナリンの放出を促す。環境内分泌撹乱化学物質のビスフェノールA及びトリブチルスズは回避学習や迷路学習の性差を消失させ、さらにノルアドレナリンニューロンが局在する青斑核の性分化を障害した。
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