研究課題/領域番号 |
10470042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
佐伯 武頼 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10056070)
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研究分担者 |
飯島 幹雄 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00305111)
堀内 正久 鹿児島大学, 医学部, 講師 (50264403)
小林 圭子 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70108869)
安田 いづみ 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10305112)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | カルチニン欠乏 / JVSマウス / 心肥大 / CDV-1 / PDK4 / CDV-3 / Octn2 / カルニチン欠乏 / カルニチン膜輸送体 |
研究概要 |
カルニチンは、長鎖脂肪酸がミトコンドリアにおいてβ-酸化を受けるためには必須の因子である。Juvenile visceral steatosis(JVS)マウスは、脂肪肝、低血糖、高アンモニア血症、成長陣害、心肥大などの多彩な症状を呈し、ライ様症候群疾患モデル動物として、1988年に金沢大学医学部実験動物施設から報告された。その後、全身性のカルニチン欠乏を呈すること、腎臓スライスにおけるカルニチンの取り込みが低下していること、細胞膜のカルニチン輸送を司るカルニチン輸送体、Octn2、の欠損マウスであることが解明され、原発性カルニチン欠損症モデル動物として確立された。我々は、JVSマウスが心肥大を呈することを発見し、その発症機構に注目し、mRNA differential display法を用い、JVSマウス心臓において発現が変化した新規遺伝子3種を発見した。本研究ではこれら3種の新規遺伝子の構造とその機能を解明し、カルニチン欠乏に起因する心肥大形成過程をあきらかにすることを目的とした。発現が変化している3種の遺伝子をcarnitine deficiency-associated gene expressed in ventricle(CDV)と名づけた。CDV-1は心臓で発現しており、JVSマウスの肥大した心室において発現が低下していたが、カルニチン治療によって正常化した。関連遺伝子として同時にクローン化したCDV-1Rは心臓以外にも発現が見られ、またJVSマウスにおいて発現の変化は見られない。CDV-1遺伝子はCDV-1Rの3'後半と共通であり、CDV-1Rのイントロンに独自のプロモーターが存在した。タンパクは、coiled-coil構造を示すことから他のタンパクと相互作用しているものと考えている。CDV-2は心臓のみならず、骨格筋にも発現しており、JVSマウスにおいて発現が増強している。その後の解析によって、CDV-2は、pyruvate dehydrogenase kinase4 (PDK4)のマウスホモローグであることが判明した。絶食によっても発現が増強するが、JVSマウスではカルニチンの投与によって、正常化した。PDK4たんぱく質もJVSマウスにおいて増加しており、酸化還元状態に従って、pyruvate dehydrogenaseと結合・解離する調節があることを見出した。CDV-3はc-erbB-2を強制発現したヒト細胞で発現が増強する核たんぱく質(H41)と高い相同性を有していた。以上の結果から、CVD-1とCDV-3は心肥大と関連が深い遺伝子で、CDV-2(PDK4)はカルニチン欠乏と関連した遺伝子と考えている。
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