研究課題/領域番号 |
10470044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 千葉県がんセンター |
研究代表者 |
中川原 章 千葉県がんセンター, 研究局・生化学研究部, 部長 (50117181)
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研究分担者 |
中村 洋子 千葉県がんセンター, 研究局・生化学研究部, 研究員 (60260254)
影山 肇 千葉県がんセンター, 研究局・生化学研究部, 研究員 (50260253)
尾崎 俊文 千葉県がんセンター, 研究局・生化学研究部, 研究員 (40260252)
磯貝 恵理子 千葉県がんセンター, 研究局・生化学研究部, 研究員 (40300917)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1999年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1998年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | Neuroblatoma / regression / apoptosis / TrkA / MYCN / GDNF / Survivin / p73 / Neuroblastoma / spoptosis |
研究概要 |
(1)神経芽細胞腫新鮮組織材料を用いた解析 過去3年間に全国の施設から送られてきた600例の経芽細胞腫新鮮組織材料を対象に、DNAploidy,MYCN増幅、TrkA発現、lp36loss of heterozygosity(LOH)について解析した。その結果、自然退縮する腫瘍は、aneuploidy,single copy of MYCN,TrkA高発現、lp36LOHなし、と相関するが、なかでもTrkA発現レベルが予後を大きく左右する因子であることが明らかになった。 (2)神経芽細胞腫細胞株を用いた神経細胞死の分子機構の解析 神経芽腫培養細胞CHP134を用いて、GDNF/Retシグナルによって抑制されるレチノイン酸誘導神経細胞死のin vivoシステムを確立し、その分子機構を解析した。その結果、1)Caspaseファミリー分子では、Caspaseー1,3,9の発現誘導と活性化が見られたが、その他のCaspaseは変化しなかった。5つのIAPファミリー遺伝子の中では、Survivinのみが強く発現抑制された。2)p53の経路では、p21^<WAF1>の一過性誘導がみられたが、Bax,PIG3,Mdm2などの誘導はみられなかった。3)ミトコンドリアの膜電位の低下が見られた。4)この細胞死は、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)またはニュールチュリン(NTN)の存在下で抑制することができた。したがって、レチノイン酸誘導神経細胞死は、ミトコンドリア=>Caspase-9,3の死シグナル経路の活性化が中心となっているものと思われた。しかしながら、GDNF/NTNによる神経細胞死抑制の分子機構については今後さらに解析する必要がある。 (3)新規細胞死抑制分子、Survivinの機能解析 近年、進行神経細胞腫において高頻度に17qゲインが見られることが明らかになってきたが、我々はSurvivin(-α)がその原因遺伝子のひとつである可能性を示した。さらに活性領域であるBIRドメインにインサートの入った新規スプライスバリアント(Survivin-βと命名)を見出し、βが機能消失型であることを示し、αとβがmicrotubuleへの結合において競合することを明らかにした。したがって、Survivinは神経芽細胞腫の生存と細胞死を制御する重要な分子であることが強く示唆された。 (4)発生過程における神経細胞死の制御に重要な役割を果たしているp73の機能について解析した。その結果、p53には存在しないp73のCOOH-末端領域が転写活性化能を負に、アポトーシス誘導能を正に制御していることを見いだした。
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