研究課題/領域番号 |
10470046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 佐賀医科大学 (2000) 筑波大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
渡辺 照男 佐賀医科大学, 副学長 (40037396)
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研究分担者 |
范 江霖 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60272192)
下釜 達朗 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50170999)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1998年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | トランスジェニックウサギ / リポ蛋白 / 動物モデル / 動脈硬化 / トランスジェニック / 高脂血症 / 代謝 / LDL受容体 / アポ蛋白(a) / リポ蛋白(a) / 冠状動脈硬化 / リポ蛋白代謝 / 遺伝子操作ウサギ / 脂質代謝 |
研究概要 |
ヒトアポ蛋白(a)を発現するトランスジェニックウサギ 1.トランスジェニックウサギの作製 我々は、ヒトアポ蛋白(a)[apo(a)]を肝臓で特異的に発現するトランスジェニックウサギを作製することを目的として、マウストランスフェリンプロモータ、および17回のクリングル4ドメイン繰り返し配列を持つapo(a)cDNAを含む発現ベクターを構築した。合計2836個の受精卵にマイクロインジェクションを行った結果、96羽の仔ウサギが産まれ、そのうち11羽のウサギゲノムDNAにヒトapo(a)が導入されているのを確認した。これらのfounderウサギを繁殖し、最終的に3系統のapo(a)トランスジェニックウサギを確立した。 2.トランスジェニックウサギの特徴 ヒトapo(a)mRNAは肝臓で特異的に発現されていること、ならびに分子量約500kDaのapo(a)蛋白が血漿中に分泌されていることをそれぞれNorthern blot,SDS-PAGEにより確認した。さらにウサギ血漿中のヒトapo(a)はウサギapoBと結合しLp(a)を形成していることが確認された。Lp(a)の過剰発現によるウサギ血漿中のリポ蛋白画分への影響は認められず、トランスジェニックウサギに正常食を負荷しただけでは動脈硬化病変は観察されなかった。 3.16週間の高コレステロール食負荷をしたapo(a)トランスジェニックウサギの解析高コレステロール食を負荷したトランスジェニックウサギでは、コントロールウサギに比べて動脈硬化病変の形成が促進されていた。動脈硬化病変は動脈の全領域にわたって観察されたが、特に胸部大動脈・腸骨動脈・冠状動脈において進行した病変像が観察された。病理学的な解析により、apo(a)は平滑筋細胞の表現型を調節することにより動脈硬化病変の進展を制御している可能性が示唆された。 4.WHHLトランスジェニックウサギ LDL受容体のLp(a)代謝に及ぼす影響について解析するため、我々はヒトapo(a)トランスジェニックウサギをWHHLウサギと交配しapo(a)を発現するWHHLウサギを作製することに成功した。LDL受容体欠損下ではLp(a)が血漿中に蓄積することから、Lp(a)の代謝・分解調節においてLDL受容体が関与していることが示唆された。
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