研究課題/領域番号 |
10470064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 大阪大学 (2001) 国立国際医療センター(研究所) (1998-2000) |
研究代表者 |
松田 道行 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10199812)
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研究分担者 |
清川 悦子 国立国際衣料センター研究所, 臨床病理研究部, 研究員 (80300929)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | Crk / FRET / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 細胞内情報伝達 / アダプター蛋白質 / Ras / Rapl / バイオテクノロジー / 上皮細胞増殖因子 / リン酸化 / Rap2 / グアニンヌクレオチド交換因子 / GTP水解促進酵素 / C3G / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 |
研究概要 |
昨年度、Crk癌遺伝子産物の活性化をモニターするために、Crkのリン酸化を生細胞でみるためのプローブを作成し、Crk蛋白の上皮細胞増殖因子依存性のリン酸化を解析した。その結果、上皮細胞増殖因子の細胞膜での刺激が、リン酸化されたCrkにより速やかに細胞内を伝播していく様子を画像化できた。しかし、このプローブにおいてはプローブの細胞内での拡散が非常に早いために、細胞内のどこでCrkのリン酸化が始まっているかが解析できなかった。そこで、このプローブにK-Ras蛋白のCAAXドメインを融合させ、このプローブが細胞膜のみに局在するようにした。この改良型プローブを用いることにより、上皮細胞増殖因子の刺激が、辺縁部の細胞膜においてCrkのリン酸化を誘導する様子を画像化することができた。さらに、このプローブを用いてCrk癌遺伝子産物の活性化状態をより、広範囲の細胞で画像化するために、このプローブの遺伝子をコードする組替えアデノウイルスを作成した。このウイルスを用いることにより、ヒト、サル、げっ歯類のさまざまな培養細胞を用いてCrkのリン酸化を可視化することに成功した。また、HeCdレーザーを装備したEvanescent field顕微鏡を用いることにより、細胞の接着斑においてCrkがリン酸化する様子も可視化できた。以上の結果は、Crkのリン酸化が細胞の増殖や細胞運動において時間的、空間的に制御されていることを示すものである。今後、この系をもちいて、さまざまな細胞事象におけるCrk癌遺伝子産物の役割が明らかにされていくものと期待される。
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