研究課題/領域番号 |
10470078
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
足立 昭夫 徳島大学, 医学部, 教授 (90127043)
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研究分担者 |
明里 宏文 徳島大学, 医学部, 助手 (20294671)
小山 一 徳島大学, 医学部, 助教授 (80109074)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1999年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1998年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | HIV / Nef / Vpr / MHC-I / CD4 / アポトーシス |
研究概要 |
本研究で我々は、(1)HIV-1 Nefの詳細な作用機構及び(2)HIV-1 Vprには強いアポトーシス惹起能があることを解明した。 HIV-1 Nefはウイルス複製後期課程の粒子形成に関与し、子孫ウイルス粒子を修飾してその感染性を高めている。Nef非存在下で産生されたウイルス粒子の解析により、Nefはウイルスのエントリー過程及びDNA合成過程に関わることが明らかとなった。Nefのエントリー過程への関与はウイルス産生細胞依存的である。また、この機能にNefのPxxPやRRモチーフは関与しておらず、これらに結合しない他の細胞因子が重要であることもわかった。HIV-1 NefのN末にはウイルス感染価、Nefのウイルス粒子への取り込み、MHC-I down-regulationなど重要な機能がマップされている。Nefの20番目のアミノ酸に関する点変異体の性格から、MHC-I down-regulationとその他の生物活性(CD4 down-regulationを含む)が分離されること、すなわち、別の機能であることが明確となった。 HIV-1 Vprのアポトーシス制御に関しては様々な報告がある。アポトーシスを誘導するとする説、抗アポトーシス作用があるとする説などいろいろ議論されている。我々は高力価のHIV-1とVSVのシュードタイプウイルスを用いてウイルス感染時にどのようにアポトーシスが制御されているかを解析した。このシステムは細胞の選択のような手順を含まず直接感染細胞を観察できる利点がある。このシステムによる解析の結果、HIV-1 Vprには強いアポトーシス誘導能があるが、抗アポトーシス作用は検出できないことが明らかとなった。 以上、本研究によりHIV-1のNef及びVprに対する理解が大きく前進した。個体レベルでのNefとVprの機能の詳細な解析が必要であることがなお一層明確となった。
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